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「電話恐怖症」とは無縁の中高年をテレアポ担当にしたら、想像以上に活躍した話

 人生100年時代。「人生最後の職場を探そう」と、シニア転職に挑む50、60代が増えている。しかし、支援の現場ではシニア転職の成功事例だけでなく、失敗事例も目にする。シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、今回は自社でシニアを活用した事例を取り上げる。
シニアジョブ

「シニアジョブ」代表の中島康恵氏

シニアの役割分担が電話恐怖症対策に?

 2023年に話題になったことの一つに、「電話恐怖症」がある。電話恐怖症とは、文字通り仕事で電話対応をすることに過剰な苦手意識を抱いてしまうことだ。  特に若年層ほどその傾向が強いらしく、IT企業「ソフツー」の調べでは、20代の7割以上が電話対応に苦手意識を感じているそうだ。  SNSではこうした若手の電話恐怖症への共感の声も多い一方で、ことシニアに目を移せば、電話恐怖症とは無縁の人が多い。では、そんなシニアをテレアポの担当にしたらどうなるのか? 私が経営するシニアジョブには実際に50、60代の社員も数名いるが、「ウチの会社は、電話恐怖症に対応した役割分担ができているのでは?」という声があったので、今回はそれを紹介したい。  とはいえ、誤解してほしくないのが、電話が得意な社員と苦手な社員をハッキリ役割分担しているわけではない。というよりも、私たちの会社は20代が中心で、DXにも力を入れ、社内外のコミュニケーションの多くもデジタル化しているが、電話恐怖症と言うほど電話が苦手な社員はいないように思う。新卒を含め、どの部署の社員もスムーズに電話ができているようだ。  ただ、電話をかける件数が突出して多く、なおかつ社員の属性が偏ったチームがある。インサイドセールスでテレアポを行うチームだ。このチームはメンバーの大半を50、60代が占めている。

「私たちの世代は連絡手段が電話しかなかった」

 そんな当社のテレホンアポインターとして活躍する60代の女性は、電話恐怖症についてどんなふうに思っているのか? 「少なくとも私は電話が怖いとは思いません。私たちの世代は最初、連絡手段が電話しかなかったので、電話が苦手だった人でも経験を積んで慣れていると思います」 「もちろん、電話の相手に怒鳴られたり、冷たくされたりすることがまったく平気ではありませんが、仕事ですし、長年の経験によって柔軟に淡々と対応できるシニアは多いのではないでしょうか」 「シニアは電話に慣れていて経験もあり、電話恐怖症とは無縁な人も多いと思います。私は、テレホンアポインターやコールセンターのような電話対応をシニアに任せる役割分担は理に適っていると思います。シニアジョブのようにこうした電話の仕事のシニア向け求人が増えると、シニアの活躍の機会も増えてとてもいいと思います」  こうしたシニアの提言のとおりに、テレアポやコールセンターのような仕事を、電話に慣れたシニアに担当してもらうことも有効な役割分担となるだろう。  だが、もう一歩進んで、シニアと若手が一緒に仕事をして、双方向にいい影響を与え合うのが、最もオススメだ。当社でも戦略人事本部長を中心に、シニアと若手が良い影響を与え合うプロジェクトや勉強会を実践しているので、また別の機会にご報告したい。
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電話業務は「克服すべきこと」なのか?
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