仕事

「61歳ホームレス」から小説家になった男の人生。“社長からの転落”を経て、賞を取るまで

「死ぬまで働く」が現実的になった現在。流されるように再雇用に頼るのではなく、もっと貪欲に稼ぎ方を探ったほうがいい。そして、実は60代からが最も“自由に”働ける年でもあるのだ。定年後を充実させる働き方を伝授しよう!

ホームレス生活から小説家へ

[60歳から稼ぐ]最強の働き方

作家の赤松利市氏(67歳)

何歳になっても人生は変えられる――それを体現したのが、作家の赤松利市氏だ。61歳時には住所不定のホームレス生活だった彼だが、漫画喫茶で書き上げた小説が賞を取り、62歳にして作家デビュー。67歳の現在も作家生活を送っている。 「バブル期には120人の社員を雇う社長でしたが、会社が倒産してからは苦しい生活でしたね。東日本大震災が起こった後に宮城県や福島県で復興ビジネスに取り組みましたが、やっていたのはヤクザが仕切っている下っ端の土木作業や除染作業。それで、逃げるように上京したんです」 そこからは風俗店の呼び込みといった日銭稼ぎをしながら漫画喫茶に寝泊まりする生活がスタート。通いすぎて会員カードはゴールドになった。

人生を一変させた出来事

しかし、そんな日々の中で書いた小説が人生を一変させた。「小説を書こうと思ったことなんてそれまで一度もなかった」と言う赤松氏だが、どんな心境の変化があったのか。 「ある日ふと、『自分の人生、これで終わるのかな』と思ったときに急に小説が書きたくなったんですよ。あとは、高校時代には年間3000冊も本を読むくらい、とにかく昔から読書をしまくっていたのでその影響なんでしょうね」
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“寅さん”のように放浪の旅に出たい
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