お金

ユニクロの冬ボーナス、38歳で“160万円”の人も…有名企業8社の社員が明かす賞与額

上場企業の今冬のボーナスが80万円超と過去最高を記録する一方、帝国データバンクによれば、前年比でボーナスが増えた企業は24.1%にとどまった。コロナ明けで広がる賞与格差のリアルな実情を追った。

ボーナスが微増なのは無能な先輩が元凶!?

~ケース① 通信大手のソフトバンク~
AdobeStock_497740318

写真はイメージです(以下同)

東証プライム上場企業の187社が支給した今冬の賞与の平均額は80万円を超えているにもかかわらず、一部会社の社員の中には納得がいかない人もいる。そんな人たちの本音に耳を傾けた。有名企業に勤める会社員のボーナス事情はいかなるものか。 通信大手のソフトバンクに勤める櫻井学さん(仮名・35歳)の冬のボーナスは…… 前年の77万円より微増の80万円。 (※あくまで個人の実例です。以下同) 同社は2023年4月、政府の賃上げ要請に応え、全社員が月8000円以上ベースアップしている。 「冬のボーナス支給額『給与2.5か月分』は変わりませんが、ベアで全社員のボーナスが増えました。おかげで私も3万円ほど増えました」

急成長した会社ならではの問題も…

ベアを差し引けばボーナスは増えていない計算だけに、櫻井さんの表情は浮かない。理由は、急成長した会社ならではの問題にあるようだ。 「現在では入社の最低ラインが早慶以上とハードルが上がりましたが、社歴の古い世代には日東駒専以下の人もゴロゴロいるので、仕事の出来が雲泥の差。ところがウチは年功序列賃金だから、会社に貢献していないのに入社が古いというだけで優秀な社員の3倍多くボーナスをもらう人が少なくないんです……」 ボーナスの目的には、仕事に対するモチベーションアップも含まれる。だが、社内の受け止めは違うようだ。 「13年前の同期入社は7割が退職した。毎年700人ほど新入社員が入社していますが、能力が低いのに高給取りの上役を見て絶望しているようです……。実際、優秀な若手は次々に辞めていく。現在のボーナスの支給のあり方は、むしろ仕事への熱意を削いでいる。逆効果ですね」
次のページ
3ケタのボーナスでも不安…
1
2
3
4
おすすめ記事