嬉しそうに語るあぢゃさん。だが、ときおり寂しげな表情を浮かべて母への思いを滲ませる。 「今は私も母親になってママの気持ちがすごくわかるんです。ママに子どもの顔を見せたいですね。それで面と向かって謝りたい。あのときごめんねー、でも本当はこう思っててさー、かまってほしかっただけなんだよーとか言って。ママが生きててくれたら……ずっとそう思ってます」 　そうした後悔から、今ではかつて母がしてくれたことを自分の子どもにもしているという。 「たまに子どもにキツく怒ってしまうときもあるんですけど、そのときはすぐぎゅーって抱きしめるようにしてますね。人はいつ死んじゃうかわからないから。素直になれないことで後悔したくないんです」 　言葉に力を込めるようにして語るあぢゃさん。家族を大事にしたいという彼女の強い思いが伝わってくるようだった。 ＜取材・文／奈都樹、撮影／藤井厚年＞1994年生まれ。リアルサウンド編集部に所属後、現在はフリーライターに。『リアルサウンド』『日刊サイゾー』などで執筆。またnoteでは、クォーターライフクライシスの渦中にいる20代の声を集めたインタビューサイト『小さな生活の声』を運営している。