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「線路に飛び込むなよ、後処理が面倒だから」上司の発言に壊れた心。3年休みなしの激務にも限界で…49歳男性が選んだ道

パワハラ上司の暴言でメンタルが崩壊

救われない中年社畜 地獄の実態

今でも堀さんは大量の緩和精神安定剤と抗不安薬を服用する。「子供に休職したことを内緒にしているのがつらい」と漏らした

堀さんは、逃げ場のない地獄に堕ちたのも同然だった。 「その頃には、突然叫びたくなったり、モノを壊したくなったり、不可解な衝動に駆られるようになっていました。そんなギリギリの毎日を送る私に、ついにその日がやってきます。 私を叱責していた上司が『ホームから線路に飛び込むなよ。後の処理が面倒だから』と言い放ったのです。その瞬間、自分の中で何かが崩れていったのを、今もはっきり覚えています」

体を壊して650万だった年収は約430万円に激減

堀さんはうつ病と診断されて、3か月ほど休職。復職後、積み上げてきたキャリアを諦めて、自ら降格を申し出た。 「耳を疑いましたね。不祥事を起こしたわけでもないのに、まさかの2段階降格……。会社から説明は一切なく、課長から一気にヒラ社員です。現在でも怖くて給料明細が見られませんが、課長の頃650万円だった年収は、約430万円に激減しているはず。49歳という年齢以上に、社内では『あいつは器じゃない』と烙印を押されたせいで管理職に戻るチャンスは一切ない。人生を狂わされました」 今でも大量の緩和精神安定剤と抗不安薬を服用する堀さん。「子供に休職したことを内緒にしているのがつらい」と漏らす。 「仕事やお金より、精神の健康が一番大事。私のように手遅れになる前に、SOSを自ら発信して!」と訴えている。 実態のない「役職」のために、体を壊して収入は激減……。あまりにも救われない。 救われない中年社畜 地獄の実態取材・文/週刊SPA!編集部 ※1月30日発売の週刊SPA!特集「救われない中年社畜 地獄の実態」より
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週刊SPA!2/6号(1/30発売)

表紙の人/ 岡崎紗絵

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