ライフ

「免許合宿の寮」で毎晩酒盛り…酒気帯びで教習車に乗る“不届き者”が使う驚きの手口

―[教習所の思い出]―
 短期間で自動車教習所を卒業できるため、まとまった休みなどが確保しやすい大学生などに人気の免許合宿。同世代の人間が集まるので初対面でも打ち解けやすく、なかには寮内で教習生同士による飲み会が連日開かれることも珍しくない。  自動車学校が所有する寮だと施設内での飲酒、アルコール類の持ち込みは禁止されているが、実際には厳しいチェックが行われるわけではない。また、提携を結んでいる近隣のホテルなどに宿泊するケースも多く、こちらは教習所と関係ない一般客もいるので館内での飲酒は自由だ。
教習所

画像はイメージです

自動車学校の寮では、教習生同士が連日酒盛り

「もう15年前のことですが、大学1年の春休みに大学生協を通じて申し込んだ免許合宿に参加しました。そこは教習所の寮で飲酒も持ち込みもダメでしたけど、ルールは徹底されておらず、近所のコンビニなどでビールやチューハイを買って部屋で飲んでる連中は結構いました」  当時のことをそう振り返るのは、銀行マンの下村和宏さん(仮名・34歳)。同じ時期に参加していた教習生はほとんどは20歳前後。半数は10代だったがそんなのお構いなし。仲良くなった連中とグループごとに部屋で酒盛りを開いていたという。 「ここだけの話、まだ20歳を迎えてなかった私も大学の友人と飲むことはありましたが、個人的にはお酒がそこまで好きじゃなかったんです。最初に1回飲み会に参加しましたが、誘ってきたのは少しチャラそうないかにも陽キャですって人たち。私は免許合宿中の飲酒にも抵抗があったし、彼らとお酒は飲みたくないなと思ってしまい、『お酒は苦手で……』とウソをついてウーロン茶やコーラを飲んでました。まあ、向こうもコイツとは合わないと思ったのか次から誘われることはなかったですけどね(笑)」  ただし、彼らをはじめ、毎日のようにお酒を飲んでいた教習生は何人もいたらしく、近くのコンビニでお酒を買い込む姿を何度も目撃。そこは教官も買い物に訪れる店だったが気にするそぶりはまったく見せなかったそうだ。

酒のニオイを消して教習車を運転…

「せめて買うならもう少し離れた違う店にしろよ、とは思いましたけどね。ビールの空き缶もソフトドリンクしか売ってない寮内の自販機横のゴミ箱に普通に捨ててましたから。当時は自分も世間のことを何も知らない若造でしたけど、そんな私から見ても無茶すぎるだろって(笑)。そんな状況を放置していた教習所も結構ヤバいですけどね」  しかも、夜遅くまで飲み会が続いていたのか、翌朝「頭がガンガンする……」など二日酔いの症状を訴える教習生が何人もいたとか。それでも合宿免許の場合、朝イチから技能教習というケースも多い。だが、アルコールが完全に抜けていなかったのか酒臭い息を吐いていた者もおり、なかには開始前に実習中止を告げられた者も。そのため、飲み会参加組は念入りに歯を磨き、口臭除去のサプリや大量のフリスクなどでニオイを消し、車内ではマスク着用など対策に余念がなかったそうだ。 「今はどうかわかりませんけど、私が通っていた頃は乗車前のアルコールチェックはなかったですし、ニオイをごまかすことができれば技能教習を受けることは可能でした。本来なら教習所に報告すべきだったと思いますがバレて逆恨みされても困るし、そもそも関わりたくなった。まあ、ああいう奴らが免許取っても飲酒運転とか平気でやるんだろうなと冷ややかに見てましたけどね
次のページ
免許取得後、すぐに酒気帯び運転で捕まった者も
1
2
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ