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“族車”だけど暴走はしない…昭和・平成の「街道レーサー」たちの現在の姿

「正月暴走(初日の出暴走)」では公道を走る姿も…

街道レーサーたち

1990年代は何百台もの街道レーサーたちが公道を爆走していた(写真は『ティーンズロード』より。以下同)

 昭和・平成の時代、この街道レーサー系の車が公道を走っていることもありました。  たとえば、「正月暴走(初日の出暴走)」。簡単に言えば、年末年始に行われる暴走族たちの“お祭り”ですが、この日のために改造を仕上げ、富士急ハイランドの駐車場を目指して暴走していました。 【参考記事】⇒暴走族の大晦日「正月暴走」に仰天。高速道路は大渋滞、族車の上でタコ踊り 正月暴走 さすがに現在は警察の取締りが厳しく、自慢の愛車を披露できるのは族車が集まる旧車會イベントくらいではないでしょうか(なかには改造車でも“公認車検”を取って合法的に公道を走らせている方もいるらしいですが……)。  とはいえ、スピードを出すと色々なパーツが吹っ飛んでしまう危険もあります(正月暴走の後には、様々な改造パーツが高速道路に散乱していた)。  令和の時代のみなさんは当時とは異なり、イベント会場に行く時は陸送車などで車を運び、現場で細かなパーツなどを取り付けて、走行会ではゆっくりと走りながらオーディエンスとともに楽しんでいる感じです。  彼らにとって旧車イベントは、まさに自分のセンスで車を「アート」として表現できる機会なのでしょう。  語弊を恐れずに言えば、暴走族版の“パレード”だったり、“コスプレイベント”のように見るという楽しみ方もあるかもしれないと思っています。

若い世代に継承されるヤンキーカルチャー

 昭和、平成、そして令和。時代が変わり、流行もかたちを変えていきますが、これほど長く継承されているヤンキーカルチャーも珍しいのではないでしょうか。イベントには若い子たちの姿も見られます。  もう暴走族ではありませんが、ギャルも含めた今の若い子たちが興味を持っていることに、ティーンズロードをつくってきた身としては感慨深いものがあります。  もちろん、暴走行為や違法改造車で公道を走ることは禁止されているので、あくまでも旧車のコレクターとして趣味の範疇で法律に則って楽しんでいただければ幸いです。 <文/倉科典仁(大洋図書)>
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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