更新日:2024年03月25日 11:36
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「YouTuberの迷惑行為をマネする生徒も」中学教師に聞いた、令和の学校トラブル

令和の学校トラブル③「人種や国籍いじり」

グローバル化が進み、人種や国籍の違う生徒が増えてきた。子供の適応能力とはすごいもので、意外と子供同士のトラブルは少ない。じつは、増えているのは、親同士のトラブルだ。 ある男子生徒がクラスメイトへ、下駄箱で殴る蹴るの暴行を加えた時のこと。クラスメイトの彼は「なんだよお前! 肌が茶色いくせに!」とつい口に出してしまった。その言葉が運動場にいた教師の耳に入り、先ほどまで暴力を受けていたはずの彼は、一気に加害者に逆転。担任の教師から厳しい指導が入った。 本来なら喧嘩両成敗で、暴行を加えた男子生徒も怒られてもいいはずである。しかし彼は先程の一言で被害者となり、暴力に関してはお咎めなしであったらしい。

生徒は意外とあっけらかん、親同士の戦いに移行

男子という生き物は意外とあっけらかんとしていて、翌日には仲良くゲームをしていたりする。彼らにとっては国籍も人種も関係なく、喧嘩なんてよくあるからだ。しかし親はそうはいかない。 このような人権問題は、必ず先生の口から親に伝わる。先生は必ずしも一部始終を説明するわけではないので、差別を受けた親は「あいつは許せない。家でどんな教育をしているんだ」と激怒する。相手の親に長文の手紙を出し、家に来させて土下座を強制することもあるのだという。しかし謝罪を強制された親が、必ずしも納得するわけではない。親同士で冷戦が始まることもある。子供にとっては、確かに多様性を学ぶ良い機会なのだが……。 ——時代の変化とともに、学校のトラブルも変化している。かつては親密だった親同士の関係も、共働き世帯やコロナによる行事の削減の影響により、希薄になってきている。可能な限り教師や親同士でコミュニケーションを取って、トラブルを未然に防ぎたいものである。 <文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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