「YouTuberの迷惑行為をマネする生徒も」中学教師に聞いた、令和の学校トラブル
いつの時代にも、学校トラブルは絶えない。誰もが中学校生活を経験しているはずだが、“今”の中学校でどんな問題が起きているのか、把握している大人は意外と少ない。
筆者(綾部まと)は新卒でメガバンクの法人営業部門に入行し、都内の学校法人を担当した。その取引先は中高一貫の学校法人で、当行が主力銀行だった。深い付き合いをする中で当時の銀行担当者から、現代の学校トラブルについて教えてもらってきた。
YouTubeやSNS、多様性が生むトラブルである。筆者を始めとした大人が学生だった頃には、考えられなかったものばかりだった。そんな令和の学校トラブルの中から、中学生に焦点を当ててご紹介する。
もちろん、筆者の担当した一部の学校法人に教えてもらったもので、全ての中学校がそうとは限らないことを前置きしたうえだが、お子さんがいる読者の方は手遅れになる前に、事実としてぜひ知っておいてほしい。
迷惑系YouTuberの流行により、学校でも迷惑行為が増えているという。窓ガラスが割られたり、流血沙汰になるほど激しいレベルではないものの、多くの教師が頭を悩ませているのは「トイレを水浸しにされる」行為らしい。
トイレを掃除すれば済むので、大きな問題になりにくい。窓ガラスと違って音が立たないため、誰がやったか犯人も特定しづらく、しょっちゅうビチャビチャになっているのだという。
他の迷惑行為として「他の生徒の自転車に、勝手に乗って帰る」というものがあるらしい。こんな話があった。風紀係の教師が、自分のものでない自転車に乗って帰ろうとした生徒を発見した。職員室でお説教をしたところ「ごめんなさい、もうしません」と深く反省しているように見えたので、そのまま下校させた。しかし帰りには、また別の生徒の自転車に乗って行ってしまったという。
これだけのエピソードなら、今も昔も変わらない。しかし、どうやらこの一連の流れをSNSで書くことによって『勇者』『英雄』と崇められることを期待しての犯行だったようだ。「迷惑行為をする奴が偉い、かっこいい」という風潮が、じわじわと学生の間に広がっている。風紀も何も、あったものじゃない。
令和の学校トラブル①「迷惑系YouTuberの真似をする」
他の生徒の自転車で帰る迷惑行為も…
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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