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ドンキの新業態「ドミセ」、なぜ渋谷から異例の早さで撤退?Z世代向け「キラキラドンキ」との明暗

来店客から「やっぱり…」との声も

 道玄坂通はドンキの親会社が手掛けるものの、 IHGホテル&リゾーツ運営受託によるライフスタイルブティックホテル「ホテルインディゴ東京渋谷」を始め、米国シアトル創業・日本初上陸のハンバーガーショップ「Lil Woody’s」やイタリア王室御用達ジェラートショップ「Giolitti」、東京恵比寿創業のスペシャリティコーヒーショップ「猿田彦珈琲」といった国内外の著名ブランドが中心であり、ドンキ系企業も旧ユニー系弁当惣菜大手のカネ美食品によるデパ地下向け洋風惣菜新業態「eashion fun SHIBUYA」や稲荷寿司新業態「こしらへ」が入居するなど、ドンキが従来訴求してきた“驚安”とは一線を画す空間であった。  道玄坂通の開発事業に幹線道路沿いの数棟が参加しなかった関係もあり、建物は歪な形状となったが、それを逆手にとった24時間通行可能な館内通路や高感度なブランド誘致が功を奏し、入居する飲食店に限ればいずれも活況を呈していた。同年1月に惜しまれつつ閉店した「東急百貨店渋谷・本店」に近いこともあり、渋谷を本拠とする東急グループが新たに開発した施設と言われれば信じてしまう客も一定数はいるだろう。  一方、道玄坂通の核となるドミセ自身の客入りは芳しくなく、閉店案内に気付いた来店客から「やっぱり……」との声も聞かれるなど、相乗効果があるとは到底おもえないような状況だった。そもそもなぜ、ドンキは道玄坂通という高級商業施設に自社PB中心のドミセを出店するという判断に至ったのだろうか?

情熱価格自体は意外と好調?

 ドミセが1年未満で閉店に至った結果から自社PB商品「情熱価格」に問題がみえそうだが、意外と好調だ。  ドン・キホーテは2009年10月に取扱開始した情熱価格の立ち位置を2021年2月に「ピープルブランド」として全面刷新して以来、「『驚きのニュース』がない商品は、発売しない」を志として掲げ、競合他社で取扱実績の乏しいニッチ商品を拡大し顧客からの「ダメ出し」を活かした商品開発を積極的に打ち出すなど、価格訴求一辺倒からの脱却を図った。  取組みの一環として発売した国内家電大手では取扱いが難しいとされるチューナーレステレビのようなワリキリ家電や2023年には最長318文字を記録したPB商品名はSNSでの注目度も高く、同年6月期 のPB/OEM売上構成比は通期 17.3%(前期比+3.1%)に拡大するなど好調に推移している。同年11月にはカネ美食品との業務提携を活かし新PB商品「偏愛めし」を共同開発するなど、惣菜部門においても同様の取組みを本格化。2025年6月期の売上構成比25%という目標の実現に近付きつつある。
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海外ドンキでも看板商品に
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都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken

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