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ドンキの新業態「ドミセ」、なぜ渋谷から異例の早さで撤退?Z世代向け「キラキラドンキ」との明暗

小型店も得意だが新業態は明暗も?

 また、ドンキがドミセ同様に手掛ける狭小店舗に関しても、2001年6月のスモールフォーマット1号店「ピカソ伊勢佐木店」(299.499㎡)は開店当初より、ドンキが本来得意としてきた形態の店舗であり、圧縮陳列や商品構成の最適化により店舗フォーマットは年々洗練されたものとなっている。  ドンキは2015年10月にはエキナカ業態1号店「エキドンキ エキマルシェ大阪店」(399.9㎡)、2016年6月には空港内1号店「ソラドンキ羽田空港店」(107.2㎡)、 2021年5月には特定ジャンル特化型新業態1号店「お菓子ドンキ・お酒ドンキ」(169㎡)、2022年5月にはZ世代向け新業態1号店「キラキラドンキダイバーシティ東京プラザ店」(287.04㎡)を開店するなど、「◯◯ドンキ」として立地特性に応じた取扱商品や業態の細分化を進めている。  なかでも、キラキラドンキは 10代~20代の「Z世代」が主導となり立ち上げた業態として、既存業態とは一線を画す店舗デザインやワッフル・オリジナル美酢ドリンクといった食物販要素を訴求。三井不動産やイオン系商業施設、近鉄百貨店への出店実績もあるなど多店舗化に成功している。
ドンキホーテ

2023年12月には開店したキラキラドンキ狸小路店。至近距離にはMEGAドンキホーテ札幌狸小路本店や札幌ナナイロといった系列施設もあり、渋谷道玄坂通のキラキラドンキ新店舗と重なる点も多い(写真:淡川雄太)

 一方、イオン所沢店跡に2020年9月に開店した「コスメドンキ・お菓子ドンキ所沢トコトコスクエア店」を2023年9月に閉店するなど、業態間では明暗も分かれている。所沢の場合は施設内に「オーケー」「ミスターマックス」といった大型ディスカウントが営業するなど特殊事情も重なるが、各業態は依然として実験店としての側面が色濃いのも実情だ。  ドンキはドミセ渋谷道玄坂通ドードー店とは別に、2023年9月にはセブン&アイHD系商業施設に「ドミセアリオ八尾店」を開店しているが、アリオ八尾店も度重なるリニューアルを経て、当初のコンセプトからの逸脱がみられており、店名こそドミセであるが、実質的に普通のドンキ小型店として営業している。  

ドミセ閉店と似たような騒動は前にも?

ドンキホーテ

「ドンペン」と「ド情ちゃん」が並ぶベンチ(写真:淡川雄太)

 今回のドミセ閉店騒動はドンペン引退騒動にも重なる。  ドン・キホーテは2022年12月16日に公式Twitter(現x)アカウントにて、公式キャラクターを「ドンペン」から情熱価格のロゴマークを意識した「ド情ちゃん」に変更する方針を発表。ドンキやドンペンのファンを中心に賛否を呼び、ドンペン引退は即日撤回となるが、Twitterではトレンド1位になるなど情熱価格のプロモーションに結びついた。  ドン・キホーテは都内でも2017年2月開店の神保町靖国通り店を約8か月後となる同年10月に閉店、2018年5月開店の赤坂見附店を約9か月後となる2019年2月に閉店するなど、以前より短期間での開店閉店を繰り返しているが、今回のドミセ閉店のように大々的に報道発表を打ち出すことは極めて稀であった。
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渋谷道玄坂通でキラキラできる?
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都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken

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