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「母性本能をくすぐられるのよね」厳しかった年上の女上司が豹変。“異性として”狙われた恐怖体験

 権力を盾に抵抗できない状況下で行われることも多いセクハラ。司法書士事務所に勤務していた水原陽介さん(28歳・仮名)は、そうした卑劣な行為を受けた1人だ。 「当時は、司法書士の資格取得を目指すことを目標に、ある司法書士事務所で働いていました。代表はすごく面倒見の良い人で、時間を割いて色々と教えてくれたり、勉強の時間も取れるよう取り計らってくれて、とても恵まれた環境でした」
女性上司

画像はイメージです

粘着質な叱責に耐えかねて泣いてしまったところ…

 同僚や先輩も好人物が多かったそうだが、仕事をする上で難しさを感じる人物が1人だけいた。 「代表の奥さん(40代)も勤務していて、司法書士ではないものの事務所のNo.2のポジションでした。その奥さんの注意の仕方が粘着質で、仕事でミスをすると『こんなこともできないの?』言われたり、『あんたの両親も馬鹿でしょ?』とか家族のことをけなしたりするので、正直、人として軽蔑さえしていました」  ある時に、そんな奥さんと微妙な距離感になってしまったことがあった。 「奥さんと会議室で2人きりで打ち合わせを行なっていた時のことでした。顧客対応の不味さを責められて、不甲斐なさのあまり思わず泣いてしまったことがあったんです。そうしたら、奥さんにじっと見つめられ『大丈夫。私のいう通りにしていたら全部うまくいくから』と妙に優しい声でいわれたんです。この時から様子が変わった感じでした」

ボディタッチが増え、「母性本能をくすぐられるのよね」と…

 それから、水原さんはたびたび会議室に呼び出されるようになった。 「やたらとMTGを設定されるようになったんです。案件についてのMTGだと言って会議室に呼び出されたのに、隣に座ってきて胸を押し付けてきたり、『顧客との対話中は姿勢が大事なの』と言って、身体に触ってくるようにもなりました。『あなたを見ていると母性本能をくすぐられるのよね』とよく言われたりして、まずいと思いました」  さらには尋問めいたこともされた。 「『私のことどう思ってるの?』ともよく聞かれました。『尊敬しています』と答えても、『違うでしょ』と強い口調で言われ、こちらが『好きです』と言うまで終わらないんです。それを言わせるたびに身体を絡ませてきて、だんだんと変な触られ方をするようになりました」
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録音した音声を代表に聴かせてみた
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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