実質“子供部屋住まい”? 週末は実家で毎週過ごす50代
次に紹介するのは、会社の「寮住まい」のアラフィフ男性。私の元に来るまで、8年間お見合いすらまともにできていなかった方のケースです。
寮住まいのため、厳密には“こどおじ”ではないのですが、金曜に仕事を終えるとその足で実家へ帰り、週末すべてを子供部屋で過ごす。
いわば「週末婚」ならぬ、「週末子供部屋おじさん」状態となってしまっていました。
アラフィフともなると、親御さんも80歳前後になります。生活を助けたり、一緒の時間を大切にするためというのであれば、美談にもなる年齢かもしれません。けれど、実態としては反対です。
この方は、自分で食事を用意したことがありませんでした。平日は寮で食事が提供されるものの、週末は用意されない。だから実家へ毎週帰る生活をずっと続けていたのです。
そこで
「毎週帰るのはそのままでいいから、料理を『用意してもらう』のではなく、『教えてもらって作る』ようにしましょう」と提案しました。
お母様にも男性経由で、
「このままの生活を続けていたら、結婚はできない」とお伝えしたからか、過干渉ぶりが改善されましたし、料理の腕もめきめきと成長。成婚はまだですが、彼の未来は明るいと感じています。
今、大人だけの1〜2人暮らしの生活では、自炊は必ずしも節約にはなりません。ですが、「日々食事を用意する労力」を実体験として知っているかどうかは、結婚相手として非常に大きなポイントとなります。
女性の場合は、料理能力の有無で「女子力」だなんだと、外野から勝手にジャッジされてしまう現状が、残念ながら今もなお残っています。だからこそ、「料理ができない」「料理が苦手」だとしても、婚活の上ではウィークポイントになりうることに自覚的なのです。
それが男性だと、「料理ができない」ことがマイナスポイントになることをわかっていない方が多い。ですから、その認識をまず持ってもらうための指摘から始めることも少なくないのです。
「料理能力」は「女子力」ではなく、「生活力」。女性が働くことが普通のことになった社会では、経済力も生活力の一部として判断されるに過ぎません。さまざまな要素を含んだ総合的な「生活力」の高さこそが、男女ともに求められている時代なのです。
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“こどおじ”が恋愛や婚活の場で忌避されてしまうのは、「精神的自立」が果たせておらず、ひいては「生活力が低い」ことが大半ゆえです。
一方で多くの方が
「実家に住み続けているけど、精神的に自立しているし生活力もある!」と信じてしまっています。ほとんどの場合、一般的な基準にはおおよそ到達しておらず、主観と客観的評価に乖離があるだけなのですが……。
あなたに恋愛したい、結婚したい思いがあるのなら、一人暮らしへの挑戦からはじめることをおすすめします。向上した「生活力」が好感度アップに繋がることはもちろん、暮らしのなかでのちょっとしたトラブルも、共通の話題にできますから。
<TEXT/植草美幸>
*……「【実家暮らし】甘えてるだけ?実は最強説も?子ども部屋おじさんと揶揄も?32歳独身男性と考える」(ABEMA Prime)より引用
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など