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ホテルで“自分がこぼした尿”を掃除させる70代男性の末路。娘から「人としておかしい」と罵倒され…

辞めていったスタッフが何人も…

 老人のカスハラ行為は他にもある。 「ルームサービスをよく頼むんですが、転んだふりをして熱いスープを浴びせかけられたスタッフもいます。熱さに取り乱しているスタッフを見て、老人は楽しそうに笑っていたらしく、あれは絶対にわざとだったと言っていました。他にも、『なぜあなたがホテルスタッフに向いてないかを説明する』と言われて、1時間以上こんこんと説明されたスタッフもいます。そんな人物が多いときは週に3日や4日も泊まりにくるので、耐えられなくなって辞めていったスタッフが何人もいました」  ひどい所業だが、出禁にすることもできなかった。 「旅館やホテルに関する法律で、宿泊を申し出た客を断ることはできない決まりがあるので、自主的に利用をやめてもらうしかないんです。支配人はスタッフの離職を食い止めたいので、『もう来ないでいただきたい』と老人に伝えましたが鼻で笑われたらしく、頭を抱えていました」  

娘の前で懇願してみると、意外な展開に

 そんな窮地の中、チャンスが訪れる。 「毎年、老人は娘の誕生日にホテルのレストランを利用していたので、支配人はこの日に勝負に出たんです。食事を終えて帰ろうとする2人を呼び止め、老人が何をしてきたかを詳細に説明し、『もう当ホテルは利用しないでほしい』と土下座する勢いで懇願したんです」  これに老人の娘が激怒した。 「『なんでそんなことをするの?』『人としておかしいと思わない?』と父親である老人を罵倒し、『だからお母さんに逃げられたんだよ』『もう2度とここに来ないと約束して』と相当な剣幕でした。老人は叱られた小学生みたいにうつむいて『ごめん、ごめん』と繰り返していました」  老人は利用しないことを渋々承諾し、その後、2度とホテルには現れなくなったという。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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