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親から「塾に任せるので宿題はナシにしてほしい」小学校で広がる子どもの“夏休み格差”

「サマーキャンプにも旅行にも行く金がない」広がる体験の格差

学校子どもの夏休みに、親も休みを取れるとは限らない。共働き世帯の子どもは預けられることになるのだが、預け先にも格差が起きているようだ。 「公立の学童の他に、民間の学童、インターナショナル系のアフタースクールがあります。公立の学童ではただ子どもを預かっているだけなのですが、民間の学童では習い事をさせてくれて、アフタースクールでは英語を習わせてくれます」 日々の積み重ねが体験の格差となってきているわけだが、夏休みになると、その格差は如実に出てくるらしい。 「民間の学童やアフタースクールではサマーキャンプが行われて、大自然の中で子どもたちが様々な経験をすることができます。サイエンスキャンプという星空を観察したり、虫の生態を学んだりと、テーマのあるキャンプも人気ですね」 他にも海外旅行へ出かける家庭もあるという。旅先で一生の思い出を作る子どもがいる一方で、お金の問題でどこにも行けず、公立の学童で夏休み中を過ごす子どももいるという。 「この格差は昔からありましたし、必ずしも悪いというわけではありません。旅行に行きまくればいい、というわけではないですから。でも最近では格差が大きくなってきたな、というのは切に感じますね」 子どもたちも、同じような子たちと自然と仲良くするようになってきていて、交友関係が固定化されている場面もあるのだとか。本来、公立の小学校というのは、様々なバックグラウンドを持つ人間同士が、うまく生きていく術を学ぶ場所であるはずなのだが……。

おまけ:インターナショナルスクールでの夏休み格差

サマーキャンプ富裕層の子どもたちが通うことで知られるインターナショナルスクールでも、程度の違いはあれど、夏休み格差が発生しているのだという。 「夏休みの終わりに、どこへ行ったかみんなで発表するんです。その発表で引け目を取らないために、国内旅行なんかに行っていては恥ずかしいと、海外旅行をする家庭も多いようですね」 海外に行ったからといって安心はできない。泊まったホテルまで、親たちは子ども経由で詮索をするのだとか。 「一言でハワイといっても、泊まったホテルによって裕福度が見えてきます。ロイヤル、ハレクラニ、アウラニディズニーを頂点としたヒエラルキーがありますから。ランクの低いホテルに泊まると『その程度のお家なのね』という目で見られるみたいですね」 親の懐具合がどうであろうと、子どもたちの心だけは貧しくなってほしくないものである。 <文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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