更新日:2024年11月29日 14:24
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大阪王将「ナメクジ大量発生」投稿事件の裁判で明かされた“衝撃の事実”。裁判は異例すぎる展開に

被告人の“壮絶な生い立ち”も明らかに

裁判所

仙台地方裁判所/筆者撮影

 被告人質問の大半は、情状に関するものだった。この裁判では、ナメクジが大量に発生していたかが争点であるものの、起訴されている罪については全面的に認めている。  そこで、弁護人は情状酌量を求めるために、被告人の壮絶な「生い立ち」について質問を始めた。    父子家庭だったという被告人、父親からは日常的に暴力を振るわれていたと語る。小学生のころのある記憶が印象に残っているという。 「父親と全財産を使って旅行に出かけたことがありましたが、後々で心中を図ろうとしていたと聞きました。富士急ハイランドに行こうといわれていましたが、実際は富士の樹海に行こうとしていたとのことでした」  さらに被告人は、「まともな教育を受けておらず、歯を磨くこともお風呂に入ることもわからなかった」と話す。中学校にあがる直前の2011年3月には東日本大震災で被災、一度は祖母の住む家へ逃れられたものの、15歳のころに父親が再婚。再婚した女性は、ある新興宗教の熱心な信者で、早朝に起きてお経を唱えさせられたという。  逃げるように全寮制の高校へ進学したが、中途退学。そこで、一人暮らしをしようと仙台中田店へアルバイトに応募したという。

裁判官による異例の対応

 次から次へと出てくる壮絶なエピソードに、裁判官も聞き入っていたようだ。この日の裁判は1時間で被告人質問を終える予定だったのだが、弁護人の質問だけで50分近く経過してしまったのだ。しかし、多くの裁判官は途中で制止するものの、検察側の質問を次回期日に行うという異例の対応となった。  内部告発の方法の正当性が改めて問われた今回の裁判。被告人は「内部告発として、きちんとしたところに告発すれば良かったなと思います」と後悔を口にした。  次回の公判は9月3日、今回の劇場型裁判から一転して、検察側からの厳しい質問が予想される。 文/学生傍聴人
2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho
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