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「窓を開けて大声で…」“あおり運転”してきたトラックが、カーブを曲がり切れず事故を起こすまで

あおり運転が多発する危険な道

渋滞「仕事帰りの午後6時頃、いつも通りの帰宅途中に目撃した“ヤバい車”の話です」  青山翔子さん(仮名・20代)は、その日は近くで某有名アーティストのライブが開催されていたからか、「いつもより道は混んでいた」と振り返る。そして、1番車の流れが悪くなる道に差しかかったときに、“モンスター”が現れたという。 「その道は以前から極端に車の流れが悪いことから、気の短いドライバーはあおったり、追い抜いたり、無茶な運転が目立つことで有名な道でした。でもあの日は、いつにも増して危険運転をする車がいたんです。  側道から突然現れたウィング車は、ペタペタに車高を下げて赤い社外ホイールを履かせた、いかにも“走り屋”っぽい雰囲気。時速40キロほどで直進する車の前に、平然と割り込んできたんです。割り込まれた車は咄嗟にブレーキを踏んでいました。あわや大惨事という状況でしたよ」  その後、非常識な運転を繰り返したそうだ。

抵抗する車が現れて…

 明らかに前方車両をあおるように蛇行運転をし、プレッシャーをかけていたという。 「あおっては抜きを繰り返し、数台の車の間を縫うように8の字走行を続けていました。その度に周囲の車が急ブレーキをかけるので、いつ事故を起こしてもおかしくはない」  青山さんは、「なんて道徳のないドライバーなんだ!」と不快に思ったが、警察に連絡するか迷ったそうだ。 「我が物顔で進んでいたウィング車でしたが、抵抗するように進路を塞ぎ、決して動かない車が現れたんです」  当然、あおり運転していた運転手は憤慨したようすだった。蛇行運転をして、力づくでその車を退かせようとしていたという。それでも、抵抗し続ける車。青山さんが、「よし! その調子」と思った瞬間だった……。 「抵抗する車に対する怒りで、思った以上にアクセルペダルを踏み過ぎた運転手は、その勢いのまま中央分離帯に激突しました。それでも勢いは収まらず、街路樹を乗り越えて反対車線に落ちたんです」 スポーツカーに装着されたウィング 運転手は車から降りてきたので助かったようすだったと青山さん。しかし、自慢の車はフロントバンパーからボンネットまで全損壊していたそうだ。 「多くの車に危険と迷惑をかけた天罰がくだったと思いました」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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