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藤田菜七子「電撃引退」による競馬界の影響は…。女性騎手「ドミノ倒しの危機」の可能性も

女性騎手の特典“菜七子ルール”とは

藤田菜七子

写真/橋本健

 また、菜七子元騎手が残した功績の一つに、“菜七子ルール”と呼ばれる減量特典がある。女性騎手なら無条件で与えられるもので、デビュー時の4kg減から始まり、勝利数やキャリアに関係なく永久に2kg減が保証されるハンデのことである。  かつてオーストラリアなどでも同じような減量特典の導入の動きがあったというが、女性騎手らが自ら反対し、今も男性騎手とハンデなしで戦っている。  一方、日本では菜七子元騎手の人気が高まっていたこともあってか、2019年にこの新ルールを導入。斤量1kgは1馬身の差が生まれると言われるだけに、女性騎手にはかなり有利なルールになっていることは間違いない。

“菜七子ルール”が逆差別になる可能性も

 JRAではエージェント制の導入で、一部の有力騎手に有力馬の騎乗依頼が偏る傾向がある。今後、「女性だから乗せてもらっている」という穿った見方をする男性騎手が現れてもおかしくなく、“菜七子ルール”が逆差別になる可能性も否めない。  菜七子元騎手の突然すぎる引退、菜七子ルール、そして減量失敗などの影響で女性騎手に逆風が吹き続くことになれば、再び女性騎手がJRAから姿を消す事態に直面してもおかしくないだろう。女性騎手自らが“ドミノ倒し”の危機を止められるか、今後の動向に注目したい。 文/中川大河
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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