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コロナ後の航空業界「次の一手」に。キャセイパシフィック航空、ラウンジ&個室ビジネスが“超贅沢”だった

今後の投資計画を発表

 キャセイパシフィック航空は、2024年8月には上半期の業績発表とともに、今後7年間で1000億香港ドル(約2兆円)を投資する計画を明らかにした。この投資計画は、以下のような分野に焦点を当てている。 1.顧客体験の向上 2.香港の国際航空ハブとしての地位強化 3.機材のアップグレードと客室プロダクトの改良 4.空港ラウンジの刷新 5.デジタル化の推進 6.サステナビリティへの取り組み  これらの戦略により、キャセイパシフィック航空は競争力を取り戻しつつある。投資計画のうち、客室プロダクトの改良について2024年10月、新しいビジネスクラス「アリア・スイート」を装備したボーイング777-300ERを導入した。この客室は、プライバシーと快適性を重視し、革新的なデザインと機能を備えている。  キャセイパシフィック航空日本支社の協力のもと、2024年12月に成田-香港往復便で運航していた新客室デザインのボーイング777-300ER機のビジネスクラスとプレミアム・エコノミークラスを体験することができた。

成田空港ラウンジとビジネスクラスを体験

 2023年2月にリニューアルした成田国際空港のキャセイパシフィック・ラウンジは、従来の2.4倍の広さとなり、大きく開かれた窓からは駐機する機体が並ぶのが見える。  ワークスペースやシャワーを完備しており、巻き寿司、焼き魚、味噌汁など和食のほかカレーライスや中華粥、オードブルなど軽食を月替わりのメニューで用意されている。ラウンジ内は、フラワーデザイン会社の空間装飾に加え、有田焼の照明作品がディスプレイされ、落ち着いた空間が形成されていた。  刷新された777-300ER機に搭乗してみると、機内の様子がいつもと違うことに気付く。入口付近が航空機というよりもオフィスの玄関口のように見えるのだ。格子の柱にロゴのブラッシュウィングが付けられ、淡い照明の中に浮かんでいる。
キャセイパシフィック航空

機内には見えない搭乗口を持つ

キャセイパシフィック航空

搭乗口すぐのところにあるアート

 香港ローカルのアーティストによるアートワークが出迎え、アリア・スイートの1-2-1配列の個室が整然と並ぶ様子が見える
キャセイパシフィック航空

アリア・スイートのビジネスクラスシート

 フルフラットシートに加え、個別のスライドドアを装備し、ビジネス旅行者や長距離フライトの利用者に新たな選択肢を提供している。主翼前のNo2キャビンにまで続く45席が用意されている。座ってみると、目の前に24インチスクリーンが構えている。多くの収納とカスタマイズできる照明が居心地良い。  機内食は、サラダ、日本蕎麦、パンが載せられたプレートに、うなぎとタコの前菜の皿があり、次にメインの煮込みチキンが運ばれた。食後には、各種チーズとフルーツが盛り合せられ、ハーゲンダッツのアイスクリームで締める内容だ。
キャセイパシフィック航空

ビジネスクラス、香港フレーバーの煮込みチキン

 12月に乗務を開始したばかりの日本人客室乗務員のYukiさんは、広い座席と、大きなスクリーン、モダンなインテリアであることを強調してくれた。
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アリアスイートを説明してくれたYukiさん

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香港のラウンジとプレミアム・エコノミークラスを体験
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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