コロナ後の航空業界「次の一手」に。キャセイパシフィック航空、ラウンジ&個室ビジネスが“超贅沢”だった
航空データ調査会社「Cirium」によるとコロナ禍で輸送力(RPK)を落としたエアラインは、2021年実績で対2019年において100社の中で実に97社にのぼる。最大の危機を乗り越えて、2023年実績で黒字を計上するところが出てきた。
コロナ禍では世界中の航空会社が売り上げを大きく落とした。そんな中、香港をベースにするキャセイパシフィック航空は、パンデミック後の需要回復を背景に、2023年の通期黒字化をバネに戦略的な投資を加速させている。
2024年は、再建に向けた具体的な成果が現れ始め、同社の復活の兆しが感じられる年となった。とりわけ戦略的投資を通じて存在感を取り戻しつつある。特に香港を国際航空ハブとしてさらに強化する取り組みは、アジア全体の玄関口として経済活動を活性化させる可能性を秘めている。
数字で表すと、中国方面に関しても大きく回復傾向にあり、2024年夏期スケジュールのピークから週68便の増(計456便、19年比 76%)を見込んでいる。比してキャセイパシフィック航空は、2025年の序盤にも2019年比の運航便数に戻る予測を立てている。
近隣アジアのエアラインでも動きがあった中、各社の内部投資の状況も見ておきたい。
機内プロダクトの一例では、エミレーツ航空がビジネスクラス改修を実施しプレミアムエコノミークラスを登場させた。カタール航空は、Qスイートと呼ばれるビジネスクラスの改修を発表した。身近はところでは、JALが2024年早々に就航開始させた国際線機材エアバスA350-1000での各クラスの内装が話題となった。
この先に同様のパンデミックが起きた場合でも乗り切れるような財務体質の改善が積極的に行われている。エアラインでは、投資を再開し、機内プロダクトの充実や、ラウンジなど空港設備の拡充を行うエアラインが増えている。
存在感を高めるキャセイパシフィック航空
続々と機内プロダクト充実へ
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing
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