更新日:2025年01月21日 15:39
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20年で100倍も!AI時代に「現代アート」が所有・投資対象として注目される理由

◆残念ながら日本は“アート後進国”

 野澤氏は「そもそも日本では『絵を買う・飾る』という習慣があまりない」と指摘する。 「日本では絵画は観るもので、美術館こそ行きますが、絵を買う習慣や文化が育まれることがないまま、経済事象だけが一人歩きしているように見えます。  一方で世界を見ると、どの国に行っても家に絵があります。自宅に絵を飾るというのは海外では普通のことなのですが、日本はこれだけ経済大国になっても、残念ながら絵の分野だけはいまだに“アート後進国”と言わざるをえないと感じることがあります。  我々の社名『アールビバン』(ARTVIVANT)は、フランス語で『絵のある生活』を意味しています。そういった“絵のある暮らし”を彩るアーティストを発掘し、育て、そのアーティストの版画を独自に制作して販売しています。投資的な形から入るのではなく、感性のある若い人たちに自分の暮らしの中でアートを味わっていただきたい、もう少し絵のある暮らしの良さを知っていただきたいと思っています」(野澤氏)

◆絵画への興味関心は学校や美術館では解決しない

 絵画を買うといっても、やはりハードルが高い。そもそも小中学生の「図工」や「美術」の時間に興味を持てなかったのも一因にありそうだ。野澤氏は幼少期の学校教育についてどのように考えているのか? 「実は私は、美術の時間が嫌いで逃げ回っていました(笑)。そんな私が何をきっかけに変わったのか。それは私が20代のとき身をもって体験した出来事がきっかけです。知人が絵のビジネス始め、そこで1枚作品を買わせていただいたんです。それを家に飾ってからというもの、雷に打たれたような感覚になったんです。絵って、こんなにもすごい存在感を見せるのか、と。  いくら学校で習ったり美術館に足を運んでも、たぶん解決しないのではないかと思います。ほとんどの人は、少し絵画をわかったつもりになるだけで終わるのではないでしょうか。  ですから私は、『まずは1枚絵を買ってみること』が大事だと思っています。どんな作品でもいいんです。自分のできる範囲で1枚買ってみて、飾ってみる。それが、絵画に興味を持つ最大のきっかけになるのではないかと思っています」(野澤氏)
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日本の「サブカルチャーアート」が世界中から高評価
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