更新日:2025年01月21日 15:39
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20年で100倍も!AI時代に「現代アート」が所有・投資対象として注目される理由

◆日本の「サブカルチャーアート」が世界中から高評価

“アート後進国”ともいえる日本だが、世界で秀でている分野がある。昨今では、近代・現代アートのほかにも、映えるイラスト「ファインアート」や、アニメやゲームを中心とした「イラストアート」など、なんとも今時なイラスト・絵画も登場しているのだ。

作画/てぃんくる先生(https://www.pixiv.net/users/10956015)

「アニメ、イラスト、ゲーム、マンガなど“日本のお家芸”をひっくるめて『サブカルチャー』と呼ばれ、世界では大変評価されています。日本はこの分野に秀でていて、世界中でこのジャンルのアーティストたちが評価され、どんどん売り上げも伸びています。  弊社が扱う商材のうち、今は3割弱くらいをしめていますが、今後もっと伸びて、3~4年くらいで倍増するんじゃないかと見ています」(野澤氏)  昨今のAIの進化は目覚ましく、画像生成AIを活用すれば、誰でも本格的なイラストが描けてしまう時代になった。このような風潮に対し、どのように考えているのだろうか? 「いろいろな表現方法があって、私はいいと思います。何を使って、どう表現するかが大事であって、表現するツールは“手で描く”だけじゃなくてもいいような気がします。デジタル作品も表現方法の一つではないでしょうか。  実際、現代アートの大作ともなると、一人ですべてを描いたりするのではなく、大勢の人で分担して作業するスタジオ製作になっています。ですから、アートの表現方法はいろいろな手法があって良いと思います」(野澤氏)  AIが進化すると「偽物」も出回ってしまいそうだが……。近代・現代アートの「真贋」についてはどのように進化してきたのか? 「よく聞かれる質問なのですが、結論から言うと、実は皆さんが思っているほど真贋が問題になることはないですよ。なぜ、ないに等しいかというと、近代アートはまずほとんど世に出回ることがないですし、現代アートは現存するアーティストさんによって制作されているので、サインも含めて自分の絵かどうか、すぐわかってしまうからです。一番偽物が出回りそうですが、実は一番偽物がない世界なんです」(野澤氏)  野澤社長率いるアールビバンでは、近・現代アートだけでなく、最新のファインアート、イラストアート、サブカルチャーアートなど様々な分野のアートを手掛けるほか、障がい者との共創により制作した版画作品を展示販売する「チャレンジド・アート展」なども展開している。

障がい者との共創により制作した版画を展示・販売する「チャレンジド・アート展」を展開する野澤社長(左)とクロス・カンパニーの加藤勝也代表取締役パートナー(右)

「アートは、正解・不正解がない分野なんですね。100人が見たら答えが100通りあって、これら全部が正解で、不正解がないんです。これがアートの最大の魅力だと思います。アートは何を作り上げるかというと、つまるところ私は『想像力』だと思います。それを育てていくんです。  一つの作品を見て、自分ではこう見たけれども、ある人は違う見方をしている。そういう見方もあるんだといろいろな考え方を知り、さまざまな角度から見るべきだというヒントになっていく。ですから、アートには世界観を変えていく力があるんじゃないでしょうか。アートの力というのは偉大だと私は思います」(野澤氏)  所有目的、投資目的ときっかけはさまざまだが、価格が高騰する「現代アート」への注目度はますます高まっていきそうだ。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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