遺体発見まで平均18日…“年間8万人以上”にも及ぶ「孤独死」の“悲惨な見つかり方”<漫画>
日本における単身世帯の数は年々増加しています。それに伴い、誰にも看取られず、自室でひとりぼっちで亡くなる人の数も、今後ますます増えていくことが予想されます。
孤独死をする可能性があるのは、独身の人だけとは限りません。今は家族と暮らしている人でも、いずれ離別・死別によってひとり暮らしになることもあるでしょう。また、親族が突然、ひとりで亡くなった場合、状況によってはまったく面識のない親族に、遺体の引き取りや相続の手続きなどが降りかかってくることもあります。
つまり、孤独死は誰にとっても関係のある問題なのです。
(本記事は『ひとりぼっ死の後始末(マンガでわかる孤独死対策)』より抜粋したものです)
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「孤独死」は、現代社会においてさほど珍しいことではありません。
孤独死の実態把握のために、警察庁が2024年1〜3月に初めて集計したデータによると、「通報や医師からの届け出で警察が取り扱ったひとり暮らしの遺体のうち自宅で亡くなった人の数」はなんと2万1716人。そのうちの約78%に当たる1万7034人は55歳以上の高齢者でした。この結果から、年間で約6万8000人の高齢者が孤独死していると推計することができます。
裏を返せば、2万1716人の約22%に当たる、4682人の死亡者は65歳未満。年間にすると、高齢者以外の人でも約1万8000人が孤独死していることになります。
また、厚生労働省が発表している2023年の「人口動態統計(確定数)」によると、日本における1年間の死亡者数は約158万人でした。前述した警察庁の調査で、3ヶ月に「孤独死」した人全体の数をベースにすると、約8万7000人。これは23年の死亡者数の約5.5%に当たり、実に日本人の20人にひとり以上の人が「誰にも気づかれることなく、たったひとりで亡くなったまま放置されていた」ということになります。
このように、孤独死はけっして高齢者だけではなく、誰の身にも起こりうる、極めて身近にある問題だといえるのです。
孤独死は、ひとり暮らしの人が誰にも看取られることなく亡くなることです。つまり、亡くなった時点では、そのことを知る人は誰もいないわけですから、当然、発見されるまでには一定の時間がかかります。
日本少額短期保険協会「第8回 孤独死現状レポート」によると、発見されるまでの平均日数は18日。3日以内で発見される割合が約39%ある一方で、90日以上発見されない割合も2.2%ありました。
男女比を見てみると、平均日数には大きな差はありませんが、3日以内に発見される割合が男性38.9%に対して、女性は47.0%と約8%高く、女性の方が早く発見される傾向にあります。
そもそも孤独死は女性より男性の方が圧倒的に多いのです。ひとり暮らしの男性は、女性に比べて、家族や友人といった周りの人と密に連絡をとることが少なく、仕事以外で社会との交流が少ない傾向にあります。この周囲とのコミュニケーションの希薄さが、男性の孤独死の多さや発見までに時間がかかる要因ではないかと推測されています。
孤独死は誰にでも起きる可能性がある
発見されるまでの平均日数は18日!
講談社のちばてつや賞、イブニング新人賞などを経て、2013年に白泉社・ヤングアニマルの新人賞を受賞し商業誌デビュー。青年誌で短編漫画を発表するかたわら、実用マンガも担当。『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』(文響社)はシリーズ累計発行部数が20万部を超えるヒット作に
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