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特殊清掃員がみた「認知症患者のゴミ屋敷」“ならでは”の特徴。「孤独死現場よりもひどい」実情とは

 社会の高齢化の影響により、認知症患者が増加している。2013年の厚生労働省の調査では、65歳以上だと16%が認知症であり、80代の後半になると男性の35%、女性の44%が認知症を患っていると推計されている。
ゴミ屋敷

“ゴミ屋敷”となった部屋。画像提供:ブルークリーン(以下同)

 よって、認知症患者の家を清掃する仕事も年間300件ほどあり、近年急激に増加しているようだ。都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、認知症患者の部屋の特徴や掃除する際の困難などについて話を聞いた。

認知症患者の家から清掃依頼がくるワケ

 鈴木さんの会社は特殊清掃が主な事業だが、依頼によっては家主にかわって普通の清掃を行うこともある。認知症患者から自宅清掃の依頼がくるケースとしては何パターンかあるという。基本的には認知症患者本人からではなく、親族の方やケアマネージャー、地域包括支援センターという自治体から委託されている民間の団体からの依頼となる。 「依頼がくるパターンとしては、ご本人が1人で生活できないため老人ホームに引っ越させることになり、今の家を引き払わなければいけないといったケースや、これから在宅での介護を進めていくにあたって家にヘルパーさんが定期的に来なければいけないが、家の中が“ゴミ屋敷”になってしまってるので片付けて欲しいといった内容が多いです。今後の介護プランを充実させていくために最初の一歩としての依頼ですね」  玄関を開けたところからゴミの山になっていて、どうやって中に入ればいいのかわからない現場もあるという。介護リフォームをしたくてもゴミが多すぎて手すりがつけられず、バリアフリーコーチもお手上げといったときに、そのエリアの地域包括支援センターなどから依頼がくるという。

劣悪な環境でも「本人は無頓着」

ゴミ「部屋に散らばっているゴミの種類としては生ゴミが多いですね。食べ物の腐った匂いが部屋中に充満していることも多々あります。あとは生活用品が多いですが、同じものを何度も買ってしまって床に散らばっているケースですね。  四方八方にゴキブリがずっと飛んでいたりして、環境が劣悪なんですけど、本人は気づいていないというか危機感を持っていないんです。たまに『自分じゃどうしようもできなくて』といった認識をできている方もいらっしゃいますが、基本的には散らかっていることに無頓着な方が多いです。また、お金が部屋の至るところに裸で置いてあったり、“決まったところに物を置く”といった作業が困難になっているのだと思います」 ゴミ屋敷 そういう場合、家主は認知症を患っていることが多いらしく、他にも認知症患者特有の部屋の特徴があるという。 「冷蔵庫の中からお財布が出てきたり、タンスの中からみかんが出てきたり、洗濯カゴにスーパーで買ったこんにゃくが入っていたり、規則性がない散らかり方が特徴ですね。排泄物などもトイレを外していたりと、うまくできていない場合が多いです。ペットボトルにおしっこをして溜めていたり、使用済みのオムツが1か所に大量に積み上げられていたり、セルフネグレクトだった人の孤独死現場に少し近い部分もあります」  そのような環境でよく一人で暮らしてこれたと思うが、親族の方がいくら言っても説得に応じず仕方なく放置してしまっているのだ。
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孤独死現場の清掃より苦労することが多い
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(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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