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「家賃3万円」ドバイで“格安物件”を借りた40代男性が振り返る、驚きの住環境…「10人部屋で同室者は全員アフリカ人」

仕事は順調な滑りだし。法人を設立しビジネスライセンス取得

ドバイ

ヴィラ室内の様子。華やかないドバイのイメージとは少し違う様相を呈している

 一方で仕事は順調な滑り出しでした。ドバイに渡ってすぐ、Facebookに「ドバイで柔道整復師をしています」と投稿したところ、数日後には仕事の依頼が来るようになりました。しかし、ドバイでビジネスをするにはライセンスが必要です。そのライセンスを得るには、法人を設立する必要がありました。  そこで、現地の(日本語を話さない)エージェントのサポートを受けて法人を設立し、無事にライセンスを取得。ゆうざぶろうさんは日本人エージェントを通さなかったため、法人設立とライセンス取得にかかった費用は60万〜70万円ほどで済み、費用を抑えることができました。 「私が取得したライセンスは『フリーゾーン』というカテゴリーです。このライセンスでは、医院のような店舗を持つことができず、出張型のサービスのみが許可されています。ドバイには『メインランド』という別のライセンスカテゴリーもあります。こちらはレストランやオフィスなど、店舗を必要とする事業の場合に取得されることが多いです。  しかし、メインランドのライセンスは取得費用が高く、さらに店舗のテナント料も発生するため、初期投資が大きくなってしまいます。そのため、初期費用を抑えるために、私はフリーゾーンのライセンスを選びました」  さらに、とある日本人スポーツ選手と出会い、出張柔道整復師として体のケアをサポートするチャンスが訪れました。この選手からの紹介で、ほかの日本人からの依頼も増え、収入は案件によって変動するものの、平均で月20万円ほどになりました。

現地人は、時間にも仕事にもルーズだった

 そんなドバイでの生活は、「日本の常識が通用しないことの連続だった」といいます。現地の人々の時間や仕事に対するルーズさには特に苦労したそうです。 「接客していたお客様の9割は日本人だったので、接客自体は大きな問題なくこなせていました。しかし、ビジネスとなると話は別です。例えば、現地の人たちは時間にルーズなのが当たり前で、約束の時間に平気で遅れてくるのは日常茶飯事でした」  痛い目に遭ったのは、ヴィラの転貸しビジネスを始めようとしたときです。ゆうざぶろうさんが住んでいたヴィラの物件を貸していた現地のディーラーに、「転貸しの仕事を始めたい」と相談したところ、彼は自分の抱える問題を打ち明けてきました。 「彼はヴィラの物件をたくさん売りたがっていたものの、手が回らず困っていたのです。さらに、ヴィラに住んでいるアフリカ人の管理が大変で、出入りも激しいという問題も抱えていました。そこで彼は、『利益の半分を渡すから一緒にやらないか?』と持ちかけてきました。人手不足で困っているようだったので、私も協力することにしました。  しかし、実際にビジネスを始めてみると、彼は約束を守らないことが多く、家賃の回収も頻繁に遅れるという始末でした。『明日払う』と言っておきながら、一週間以上も連絡が取れないこともありましたし、やっと連絡が取れたと思ったら、また別の言い訳をする、ということが何度も続きました。このような状況が続き、私の精神的な余裕もなくなっていきました」  余裕がなくなると、彼と喧嘩になることもあり、まさに踏んだり蹴ったりの毎日だったそうです。このような出来事は珍しくなく、どの国の人に対しても、日本人のようにきちんと対応してもらえることは多くありません。  約束を守らない、連絡がルーズ、責任感がない……といったことが頻繁に起こり、「ドバイで日本のビジネス常識は通用しない」と、身をもって体験しました。
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挑戦しやすい環境、しかし英語は意外に上達しない
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海外不動産投資家・海外移住コンサルタント。1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で大きな利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタートする。大学3年生の21歳から国内不動産投資を始め、国内3棟18室を保有し利回り20%以上の物件を運営し、その後いくつかの物件を売却。22歳で海外不動産投資へ進出し、ジョージア、トルコ(イスタンブール)、アラブ首長国連邦(ドバイ)に不動産を所有。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数約6万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。

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