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ちょんまげで高座に上がる「異色の落語家」が、東海道五十三次を落語しながら旅したワケ

自ら月代(さかやき)を剃り、丁髷(ちょんまげ)を結って高座に上がる異色の噺家がいる。芸歴25年を迎えた今年、約1か月をかけて東海道の宿場町を歩きながら、一宿一席の落語会を開くという挑戦をした。すべては「バズりたいから」。果たしてその先にあったのは──
エッジな人々

立川志の八

 コロナ禍で髪を伸ばし丁髷頭にしたものの、ちっともバズっていない落語家がいる。立川志の輔の二番弟子で、真打の立川志の八だ。丁髷姿で(※1)東海道五十三次を踏破し、すべての宿で落語会を行うというかつてない挑戦を成功させたばかり。丁髷でバズらせたいと宣う野心家の素顔に迫るのは、普段から仲が良いという弟弟子の(※2)立川志の春。

ちょんまげ落語家、東海道をゆく!

──兄さん、東海道五十三次の旅、そして今日の会も、おつかれさまでした(インタビューは、関内ホールで開催された志の八・志の春二人会直後)。「落語の登場人物と同じ髪形にしたら面白いのでは」と丁髷にしたきっかけを語っていましたが、お客さんの反応ってどうですか。 志の八:たとえば、今日かけた「二番煎じ」や「時そば」なんかは、「髷のおかげで話がすっと入ってきます」と言われるよ。でも、古典なんだけど時代背景が昭和初期のネタとかはやりにくいかも。 ──どうやりにくいんです? 志の八:たとえば「学校」「鉛筆」なんて単語が噺に出てくると、丁髷のせいで江戸時代の噺をかけてると思い込んでるお客さんが「あれ、この時代にあったっけ?」と一瞬つまずくのがわかる。だから「寺子屋」とか「墨」とかに直してやってる。 ──なるほどね。僕がピンクの髪にしたのは、お客さんの想像に揺さぶりをかけたかったから。落語って、言葉だけで想像させる芸じゃないですか。男が女を演じたって、誰も文句を言わない。だったら派手な髪でもいいじゃん、という実験だったんです。方向性は違えど“観客の想像力を意識している”という点では似てますね。 志の八:噺に入ってもらえれば、想像力が走りだすから、見た目はそこまで関係ないんだよね。なんといったって(※3)家元はセキセイインコみたいな色の頭してバンダナしながら高座に上がってたんだから。
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