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金融業界にまつわる[都市伝説]を調査してみた

兜町の住人たちは、とかく噂好きである。なかには、真偽不明で噂の域を出ないものから、事実なのに噂だけが独り歩きし都市伝説化しているものまで多数ある。金融業界にまつわる数々の都市伝説の真偽を事情通に聞いて、それらの真相を究明した! ◆兜町は平将門の怨念から守る結界
兜神社

東証隣にある兜神社。兜石の下には、平将門の兜が埋められているという噂が……

 東証隣にある兜神社。コンビニ程度の敷地しかないが、証券界の守り神として信仰を集めてきた。 「毎年4月には東証社長や大手証券社長がやってきて、必ず手を合わせています。兜神社には平将門の兜が埋まっているといわれ、『お参りしないと災難に見舞われる』『兜町は平将門にまつわる結界の一部になっている』などの噂があるほど。東京都心には、将門の首を祀ったとされる『首塚』、将門の首が飛び越えたといわれる『鳥越神社』、将門の鎧が埋められているといわれる『鎧神社』、将門の“体”が由来とされる『神田神社』など、将門にまつわる、いわくつきの場所がいくつも残っています。東証のある兜町はこうしたパワースポットの南東端に位置し、兜神社には将門の霊力を封じる役割があると信じる人も少なくありません」(古参の地場証券マン)  現在、兜神社への日当たりをさえぎるようにして立つ東証ビルだが、竣工した翌年の’89年をピークに日経平均株価は約4分の1に暴落中。原因は将門のタタリ!? ◆東証から野村證券に秘密トンネルがある
野村證券本社

東証と野村證券本社の間には、野村の記章“ヘトヘト”が描かれたマンホールが……

 証券マンの間では、東京・日本橋兜町にある東証と野村證券本社を結ぶ地下の秘密トンネルの存在が都市伝説になっているとか。 「『東証がテロ攻撃されたとき、野村本社に東証機能を移すため』『VIP用のトンネル』などと噂は数多くあります。実際に東証から北西に歩いてみると、公道なのに野村證券の社章がついたマンホールが点在しています。その先は、野村本社ビルに行き当たる。しかし実はコレ、秘密トンネルでも何でもなく、アナログ時代に野村と東証を結ぶ専用回線を通すために掘られたそうです」(大手証券マン) ◆千円札の富士山は聖書の山
千円札

千円札に描かれた逆さ富士は、モーゼの十戒の舞台となったシナイ山との噂が……

 千円札には富士山が湖面に映る「逆さ富士」が描かれている。 「しかし、よく見ると完全な上下対称ではないため、『湖面に映る山は富士山ではなく、エジプトのシナイ山では?』などと、外国勢力の経済侵略と結び付けた珍説が流れています。このシナイ山、聖書に出てくる、海を2つに割ったあのモーゼが十戒を受けた山だとか」(株式ジャーナリスト・大神田貴文氏)  お札のデザインの基は富士山周辺をフィールドワークにした写真家、岡田紅陽氏が撮影した「湖畔の春」。1935年の作品だ。これに偽造防止で微細なアレンジを施したのが今の千円札というわけ。 ― 金融業界にまつわる[都市伝説]のウソ/ホントを調査【1】 ―
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