ユーロ暴落で儲ける方法
現在のユーロ安はある意味、中央銀行主導であり、ECBがバックについてくれるのであれば安心してユーロ売りできるというもの。もはやユーロ安の流れは誰も止められそうにない。【詳しくはコチラ】⇒https://nikkan-spa.jp/267352
そうなると、問題は「どの通貨に対してユーロ売りを仕掛けるか」という点だ。真っ先に思いつくのは対円でのユーロ売りだが。元シティバンクのチーフディーラー・西原宏一氏は次のように語る
「確かにリスク回避で円は買われやすい状況になっています。しかし、怖いのは日銀の介入。急激に円高が進んで1ドル=76円台へ突入すれば、米ドル/円での介入であっても、ユーロ/円もつられて円安へ大きく振れますから」
突然やってくる介入にビクビク脅えた割に、スワップ金利も小さく、実入りは少ない。
「面白いのはユーロ/豪ドルでしょうね。豪ドルの政策金利は3.5%と、かつての7%台と比べると見劣りしますが、低金利政策を進める先進諸国のなかでは、数少ない高金利通貨。ユーロキャリーの通貨ペアとしてヘッジファンドも注目していますし、日本でも扱うFX会社は増えています」
豪ドルは9月の利下げが濃厚視されているが、それはユーロなど外部環境要因のせい。国内経済は堅調だ。また、ユーロ/豪ドルの売りでは一日あたり94円ほどのスワップ金利がもらえるため、中長期的な視野でのユーロキャリーにも最適といえそうだ。
「ただし、最近の豪ドルは米国株との相関性が非常に強い。米国株が急落すると、豪ドルも急落する可能性があります。この数年、夏場には株が売られる『リスクオフ』の相場になりやすい傾向もある。特にディーラーが夏休みで市場が薄くなる8月は何かあるかもしれない。であれば、少し様子を見て相場がリスクオフとなって豪ドルが下げたところを狙ったほうがいいでしょうね」
すでに大きく下げているため、ユーロ/豪ドルの売りエントリーポイントは1.20ぐらいだとか。
これに対し、チャート的に「もっと下げそう」というのがユーロ/米ドルだ。
「長期的に考えるなら、ユーロ/米ドルでのユーロキャリーもいいですね。スワップ益はあまり期待できませんが、市場最安値が0.82に対して今はまだ1.20台と下落余地は大きい。市場参加者もそろそろパリティの1.0を視野に入れ始めており、ユーロ暴落の局面で大きな値幅が取れそう」
米ドルにはQE3という米ドル売り要因があるものの、下落余地の大きさは魅力だ。
⇒【後編】へ続く https://nikkan-spa.jp/267354
ユーロを売って高金利通貨を買え!
【ユーロキャリーの主な通貨ペア】
※通貨ペア:一日あたりのスワップ
◆ユーロ/米ドル:8円
大きく下げているとはいえ、史上最安値まで約5000pipsもあり、下落余地は十分ある。リスク要因は9月に実施が噂されるQE3や大統領選などだ
◆ユーロ/英ポンド:13円
イギリス経済は堅調とはいえないが、ユーロを採用しておらず債務危機の影響は軽微。ただしゼロ金利の噂もあり、スワップ金利には期待できない
◆ユーロ/豪ドル:94円
豪州の政策金利は3.5%。先進国内では高金利といえ、豪州経済も堅調。ユーロキャリーの本命ペアだ。豪ドルは米国株との相関性が高いので要注意
◆ユーロ/NZドル:65円
かつて8%を超えた高金利通貨も今は2.5%。それでも豪州同様に、自国経済にネガティブな材料は少なく、ユーロキャリーは十分狙える通貨ペア
※スワップ金利はサクソバンクFX証券で1万通貨のユーロ売りでの値(7月31日現在)
【西原宏一氏】
為替ディーラー。ヘッジファンド筋などに強い人脈を持つ。西原メルマガはFX派のバイブルとして注目を集めている
― [ユーロキャリー]必勝法【2】 ―
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