更新日:2012年08月20日 09:01
お金

ユーロ崩壊にベット![ユーロキャリー]ってなんだ?

欧州の債務危機でユーロ安が止まらないなか、注目を集めているのがユーロキャリートレードだ。ユーロを売り、高金利通貨を買うことでスワップ益&為替差益のダブル利益を狙うという。かつての円キャリートレードを彷彿とさせる、今の市場の流れに乗り遅れるな! ◆もはや必定のユーロ安に乗ってFX益を増やせ!
西原宏一氏

西原宏一氏

「今為替市場でヘッジファンドなどのプロが注目しているのが“ユーロキャリートレード”なんです」  そう教えてくれたのは元シティバンクのチーフディーラー・西原宏一氏だ。キャリートレードといえば’06年頃、円キャリーの全盛期、ひたすら円を売って高金利通貨を買えば、あとはスワップ金利でウハウハだった時代があった。 「当時は金利の低い円を売って、もっと高い利回りの見込める通貨や株、不動産に投資するというのが流行。それが円安を加速させたわけですが、そのユーロ版が今の市場で巻き起こっているんです」  このユーロキャリーを支えているのが、EUの低金利政策だ。 「7月にECB(欧州中央銀行)は政策金利を0.75%に引き下げました。と同時にデポジットレート、つまり市中の銀行がECBに預けたときの金利もゼロにしたんです」  これにより、ユーロは売りスワップが発生。日本ですら、ユーロ圏から見れば、“高金利国”になったのである。 ◆ECBはユーロ安を誘導している!  未曽有の危機に対処するため、奇策に打って出たECB。だが、この政策は低金利だけではなく、別の意味も持つ。 「デボジットレートをゼロにしたことからも、ECBが“通貨安誘導”したがっているのだとわかる。彼らが守ろうとしているのは通貨としてのユーロではなく、ユーロ経済圏。ユーロが下がるのは、ドイツなど輸出国にとってはむしろ好都合です。彼らが血道を上げているのは統一通貨ユーロを採用する経済圏の枠組みを守ることであり、ユーロを上昇させることではありません。ユーロ買いの介入なんてもってのほか。むしろ『ユーロはバンバン下がれ』と考えているのではないでしょうか」  現在のユーロ安はある意味、中央銀行主導というわけだ。ECBがバックについてくれるのであれば安心してユーロ売りできるというもの。もはやユーロ安の流れは誰も止められそうにない。 【中編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/267353 ユーロ暴落で儲ける方法 【西原宏一氏】 為替ディーラー。ヘッジファンド筋などに強い人脈を持つ。西原メルマガはFX派のバイブルとして注目を集めている ― [ユーロキャリー]必勝法【1】 ―
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