年々進化する【怪しい投資話】
「投資詐欺に引っかかるのは老後に不安を抱えた金融リテラシーの低い高齢者だけ」と思うのは早計だ。ネットマーケティングやSEOを駆使したニュータイプのネット型投資詐欺の被害者は、年々低年齢化しているのだ。その誘惑の手口とダマされる心理について迫ってみる。
◆ネット上に甘い文言を載せたファンド型の投資商品が急増!
「監禁脅迫され無理やりお金を振り込むように強要され、財布なども一旦取り上げられたりし、生命の危険を感じた為、一部やむなく振込みをさせられました」
物騒な文面が載ったのは投資会社スピーシーのホームページ。同社は毎月10%ほどの配当を約束し、投資家から資金を集めていた。
「当初は約束通りの配当が支払われていましたが、今年5月から滞っていて、全国で集団訴訟となっています。なかには暴力に訴えた人もいるようだし、掲示板には主宰者の自宅へ押しかけようといった書き込みも見られます」(投資ライターA氏、以下同)
スピーシーが行っていたのは、複数のブックメーカーを使った「サヤ取り」。イギリスではスポーツも賭けの対象で、胴元となるブックメーカーが複数ある。同じサッカーの試合でも、ブックメーカーごとに倍率は違うため、その違いを利用してサヤを稼ぎ、出資者に配当を払う仕組みだ。
◆10%配当で350億円を集金、集団訴訟に!
「ブックメーカーといっても、株式市場のように大きな規模ではない。報道によれば集めていた資金は350億円。それだけの資金を賭けたら倍率を動かしてしまう。もともとの仕組みに無理がありました。投資家から集めたお金を配当に回す『タコ足配当』だった可能性が高いと思います」
現状、投資資金はほとんど返還されておらず、戻ってきたとしても、おそらく元本の数パーセントにとどまるだろう。というのも、資金の多くは次の投資家を集めるための費用へと回っていたからだ。
「スピーシーは情報商材の世界で誰もが名前を知る大物や自称『100億円不動産王』を資金集めに使っていました。2人が集めた資金は100億円とも噂されていますが、その一部が彼らに支払われているはずです。新たな投資家を勧誘すると配当が増額される、マルチ商法と似た仕組みも採用していました」
以前は「怪しい儲け話」といえば高齢者がターゲットだったが、最近は変化の兆しが見える。“マルチ、ネット、低年齢”化が進んでいるのだ。マルチの勧誘は誰もが受けたことがあるだろうが、最近では金融(っぽい)商品へと商材が変わってきている。
「SNSを巧みに利用して20代、30代を集客してマルチ商法的な手口を絡めたり、インターネットを利用するのが最近の傾向です」
⇒【後編】『「元本保証で利回り7%」怪しい儲け話にご注意』に続く
https://nikkan-spa.jp/290244 【ファンド詐欺関連の相談件数が急増中!】 2009年:2993件 2010年:7046件 2011年:18268件 ※出所:国民生活センター 取材・文/高城 泰(ミドルマン) ― アマい言葉にご用心!【怪しい投資話】の全貌【1】 ―
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