外国人観光客にも大人気「新宿東口の猫」の“稼ぎは億単位”だった…そのワケを担当者に聞く
変わりゆく新宿の街並み。駅周辺は“100年に一度”と言われる大規模な再開発が進み、2023年には複合商業施設の東急歌舞伎町タワーが開業、インバウンド需要の高まりからナイトクラブが相次いでオープン。こうした状況のなか、新宿駅東口近くの屋外ビジョンに出現する「新宿東口の猫」が道行く人々の注目を集めている。
デジタルサイネージの画面から飛び出してきそうな猫の3D映像は、SNSで大きな話題を呼んだ。
今回は「新宿東口の猫」を運営する株式会社アンコンサルティング 広報・マーケティングリーダーの武石 匡央さんに3D巨大猫の映像を作成した背景や今後の展開について話を聞いた。また、「新宿東口の猫」がどれだけのお金を生み出したのかぶっちゃけてもらった。
「新宿東口の猫」はクロス新宿ビル屋上にある「クロス新宿ビジョン」で見ることができる。株式会社クロススペースの親会社が不動産事業を手がけており、世界最大の乗降客数を誇る新宿駅東口近くの“超一等立地”に物件を取得したのがクロス新宿ビルだ。しかし当初は、「どのようにビルを活用していくかに頭を悩ませた」と武石さんは話す。
「立地はすごく良い一方、狭い土地だったために普通に7階建てのテナントビルで計画すると、建築が難しい上に貸室も少なく、十分な収益を見込めないのではと考えていました。また、テナントビルにする構想もありましたが、十分な収益を見込めるか不安があり、別の活用方法を模索することになったんです」(武石さん、以下同)
こうしたなかで、同社社長の小谷周氏が、すぐ近くにある「アルタビジョン」に着目し、屋外ビジョンにするアイデアを思いついたそうだ。
「最終的にはクロス新宿ビルの1階から3階をイベントスペース、ビルの屋上(4階相当)を屋外ビジョンにする方向に決めました。テナント部分は3階までなのでエレベーターがなくても広く使えますし、隣接するアルタビジョンと同じ高さにビジョンを置くことで、歩行者から見えやすく、広告収入を確保できると考えていたからです」
さらに、韓国で話題になっていた “大きな波が打ち寄せる” かのような3D映像を参考にし、3Dの投影が可能なビジョンとして検討を進めていったという。
だが、屋外ビジョンの運営を始めても、いきなり企業から屋外広告の出稿が入るとは考えにくい。そこで、まずは自社で3Dの映像を作成して、どのような見え方や広告効果があるのかを示す必要があったわけだ。
3D映像の制作にあたってはコンペを実施し、その中から映像制作大手のオムニバス・ジャパンが提案した「猫の3D映像」を採用することになった。
「クロス新宿ビジョンは湾曲型で、3Dの特徴である立体的な映像を流すのに最適な形状でした。また、ちょうどいい画角が新宿駅東口の駅前広場になっていて、常に人が多く集まる場所でかつ視界にも入りやすい。
こうした3D映像を流すのに最適な立地だったことに加えて、渋谷は秋田犬(ハチ公)、池袋はフクロウ(いけふくろう)と、動物がシンボルになっていることから、“新宿にも動物がいたら面白いのでは?”という発想で猫に決まりました」

普通のテナントビルでは家賃回収の目途が立たなかった
猫のキャラクターにした理由「新宿にも動物がいたら面白いと思った」
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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