【日刊ダルビッシュ】優勝までカウントダウンを現地ルポ
―[日刊ダルビッシュ]―
地区優勝までマジック5。移籍一年目にして松坂大輔(’07年15勝)のルーキーイヤー最多勝を塗り替えた、ダルビッシュ有。
今週のホーム7連戦で3年連続の地区優勝が決まると踏んだ日刊SPA!は、急きょ現地に特派員を派遣。今日から地区優勝までのカウントダウンを現地レポートとしてお届けします!
◆【9月24日】 劇的サヨナラ勝ちで優勝M5!
ダルビッシュ有、上原、建山、日本人投手3人が所属するテキサス・レンジャーズが、いよいよ3年連続の地区優勝を目の前に捉え、今季レギュラーシーズン最後となるホームゲーム7連戦に臨んだ。
レンジャーズは今日(現地24日)の試合前の時点で、今季の公式戦はあと10試合を残し、2位のオークランド・アスレチックスに4ゲーム差をつけ地区首位に立っている。
残り試合数を考えれば、地区優勝はほぼ「当確」と言ってもよい数字ではあるが、チームは最後まで気の抜けない戦いが続く。というのも、残り10試合のうち、なんと7試合が2位・アスレチックスとの直接対決なのである。
レンジャーズが優位な状況には間違いないが、もしこの直接対決でアスレチックスが勢いに乗るようなことになれば、アスレチックスが大逆転の地区優勝を勝ち取る可能性もある。今季のアスレチックスがここまで下馬評を大きく覆し、若手中心の勢いあるチームで快進撃を続けていることを考えると、これは決してありえない話ではないのだ!
鍵を握るのはやはり、両チームの先発投手陣の出来だろう。
最近7試合で全てQS(クオリティ・スタート)をマークするなど絶好調のダルビッシュは、現地時間25日(明日朝9時)に登板予定。最大のライバルを相手に、ここ最近見せている試合を支配するようピッチングができれば、チームは地区優勝に大きく近づく。
レンジャーズは、アスレチックスとの7試合を除く3試合も、同地区のロサンジェルス・エンジェルスとの3連戦が控えている。開幕前から優勝候補の本命に挙げられていたエンジェルスはここまで、アスレチックスを下回る地区3位と大苦戦しているが、まだプレーオフ進出の望みを残しており、チーム総動員で勝ちにくるはずだ。
ダルビッシュはこの3連戦の最終戦、30日にレギュラーシーズン最後の登板を予定している。
この見逃せない最後の10試合にて、ダルビッシュと共に注目したいのが、現在チームに欠かせない存在となっている上原浩治だ。8月に戦列復帰して以降好調を維持している上原は、先日レンジャーズ移籍後初となるセーブもマーク。勝敗の分かれ目となるような、しびれる場面でも登板が続いている。クローザーのジョー・ネイサンにやや疲れが見えていることもあり、優勝決定の瞬間を上原で締めくくる可能性もあるだろう。
レンジャーズは創設50年目の’10年に、初のリーグ優勝を飾ると、’11年にも圧倒的な戦力で2年連続のリーグ優勝。今季も主砲ハミルトンと若手選手がバランス良く機能し、黄金時代を築きつつある。
しかしその一方で、世界一を懸けたワールドシリーズでは2年連続で敗れており、特に昨年はセントルイス・カージナルス相手にあと1勝、あと1アウトまで迫りながら、まさかの大逆転負けを喫し、悔し涙を飲んだ。
それだけに今季は、リーグ優勝の先にあるワールドシリーズ制覇への想いはどのチームよりも強いはずだ。
ここ最近の素晴らしいピッチングで、プレーオフのキーマンとして日に日に期待が高まっているダルビッシュ。一方、昨年プレーオフでは連続してリリーフに失敗し、ワールドシリーズのロースターから外れるなど悔しい思いをした上原。
レンジャーズの行方を占う2人の日本人投手にも注目しながら、今日からの7連戦を日刊SPA!では現地から徹底レポートします!
【9月24日の試合速報】
●レンジャーズ 5 ― 4 アスレチックス
天王山7連戦の初戦は、月曜日としては今季第3位の大入りとなる43,044人の観衆。試合は2-4の劣勢から7回裏にベルトレの同点2ランで追いつくと、9回裏には満塁のチャンスで再びベルトレがサヨナラ安打。熱戦を制したレンジャースは優勝へのマジックナンバーを5に減らし、いよいよ明日はダルビッシュがマウンドに上がる。
<取材・文/日刊SPA!テキサス支局&NANO編集部>
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団。「日刊SPA!」ではメジャー(MLB)・プロ野球(NPB)に関するコラム・速報記事を担当。今回はテキサスレンジャーズに密着。地区優勝まで現地から精力的にリポートします! ハッシュタグ