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杉作J太郎氏が語る 男が集う理由

杉作J太郎氏が語る 男が集う理由
「ためになる話なんて一切なし。時間のムダだと思うよ」

 なぜ男たちは男同士で集うのか。50歳を目前にした今も「男だけの集い」を毎週行っている「男の墓場プロダクション」代表・杉作J太郎さんに話を聞いた。

「少ないときは3、4人、多いときは7、8人くらいが集まって、深夜のファミレスで延々しゃべってますね。特に目的もなく集まってるから、いつも終わるタイミングが見つからない(笑)。昼時になってお店が込み始めて、『そろそろ、帰るか』なんてこともあります。冬場は週1回程度ですけど、夏は集合場所は公園になって、カネもかからないので週3ペース。もう7、8年は、こういう集まりを続けてるんじゃないかな。女性がいたこと? 一度たりともないです」

 しかしそんなに長い時間、いったい何の話をしているのか?

「僕らは『モーニング娘。』ファンから発展した集団なんで、最近お気に入りのアイドル、アニメ、声優、映画なんかの話が多いです。でも、みんな一方的に自分の言いたいことを言うから、話が全然噛み合わない(笑)。あとは、その日集まったメンバーで誰が一番ブサイクか決めたり、来てない人の悪口を言ったり……。女子会と違うのは、自分自身の恋愛とかセックスの話をしないことかな。

 だって、聞きたくもないし。たまに熱く語る人もいるんですが、後々になって、そいつが童貞だったのが判明したりして(笑)。あと、『まずは横浜に行って、その後に映画を見て……』みたいな理想のデートプランを6年くらい話し続けてるヤツもいますけど、そいつは結局一度もデートできてませんねえ」

 まさに幼稚な男子の会話。中学生レベル。というか、それ以下か!?

「だから、僕らの集まりは”男子会”ですよ。ビジネスのこととか、役に立ちそうな話は一切なし。本当に時間のムダ。それでも、奥さんを寝かしつけてから、深夜に家を抜け出し、朝、ファミレスから仕事に行く人もいるんです。たぶん、居場所がないんですよ、男には。特に最近は男の人が女の人にいろいろ譲ってあげる時代でしょ。当然、ストレスも溜まる。男同士でつるむ男って、女性に優しいヤツだと思うんですよ。普段は女の人を尊重して、言いたいことを遠慮なく言える場を別にもってるんだから」

 そう。男は女から逃げているのではなく、女に優しくするために集っている。男には、男だけのバカな”男子”に戻れる集いが必要なのだ。それが、「男子会」ならば、男子会ブーム、大歓迎である。

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男の墓場プロ恒例の花見マラソン。36時間耐久で、フル参加を成し遂げるとプレゼントが。
「花見もそうですが、会が終わるときにはいつも『もう、限界……』って気分です」(杉作氏)


杉作J太郎氏
漫画家、タレント、映画監督。映画製作会社・男の墓場プロダクション代表。
現在、次回作『チョコレート・デリンジャー』を製作中。
近著に初の小説『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』


取材・文/加藤カジカ 古澤誠一郎(オフィスチタン) 港乃ヨーコ 田山奈津子 鈴木靖子(本誌)
撮影(杉作J太郎氏)/高木JET
イラスト/岩井勝之
― [男子会ブーム]の謎に迫る【8】 ―




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