更新日:2011年08月19日 11:13
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最も蚊に刺されやすいのはO型の人!?

 生き物に関する都市伝説で、夏場の定番といえば「O型の人は蚊に刺されやすい」というもの。これについては「ウソともホントとも言い切れない」とは医療ジャーナリストの森田豊氏。 「そのような研究論文があるのは事実です。例えば72年の海外の事例では、吸血したガンビアハマダラカ(マラリアを媒介する蚊)の腸内の血液を調べたところ、血液型の順位がO>B>AB>Aになったという結果が出ています。また、04年には白井良和氏が、日本で最も一般的なヒトスジシマカを用いて、前腕にとまった蚊を調査する方法で実験を行い、同様の結果を報告しています」  では、それでも本当と言い切れない理由は何なのか? 「蚊が人を刺す前に、人間の血液型を把握して、O型の人を集中的に狙うのは難しいと思うんですよ。『O型血液の細胞表面にある糖鎖という部分は、花の蜜の糖分とよく似た分子構造をしているので蚊が好む』という説も上がりましたが、それもきちんと実証されたわけではありません。さらに、血液型による刺されやすさを比べた実験では、O型がダントツ……という結果が必ず出るわけでもないようです。この噂の真偽を確定する科学的証拠は、まだ出ていないのが現状なんですよ」  また「蚊に刺されたとき、その部位に力を入れると針が抜けなくなる」「刺されたところに×型の痕をつけると治りが早くなる」という噂は? 「前者については、蚊が刺すのは皮膚~皮下組織の部分で、その下の筋肉まで針が届くことはあり得ないためウソと言っていい。一方で×をつけると確かに痒みはとれますが、それは一過性で、やっていることは患部を掻くのと同じなので、逆に治りが遅くなります」  一方で、こちらも夏場に被害者が集中するハチについては、「刺されたらオシッコをかけるといい」という噂がある。これは両者で真偽が分かれるそうだ。 「オシッコをかけると治療の効果があるというのは迷信です。それどころかアンモニアの刺激で、逆に皮膚を傷めて悪化させることもあるのでマネしてはいけません」 【O型、デブ、飲酒者の誰が蚊に狙われやすい?】  先ほどあげた「血液型O型は、蚊に刺されやすい」という説については、ホントという研究結果もある。しかし、ほかに刺されやすい要因はあるのか? 害虫駆除でおなじみフマキラーに聞いた。 「確かに、O型が刺されやすいという研究結果もありますが、大きな違いはないようですね。むしろ汗の匂いや体温、吐く息などに寄ってきますので、デブ、汗っかき、酒飲みのほうが刺されやすいかもしれません」  ちなみに、「黒い服を着るとハチに襲われやすい」は「ハチは白より黒を認識するので、ホント」、「ゴキブリは1匹いたら100匹いる」は「100匹かどうかはともかく、基本的にゴキブリは巣を作ってすぐ繁殖するのでホント」。対策としては、古タイヤ等の水溜まりでボウフラがわくので、蚊を発生させないよう、家の近所に水溜まりなどを作らないようにすること。 イラスト/スズキサトル ― 真夏の[都市伝説]を科学する【6】 ―
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