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「スイカと天ぷらは一緒に食べてはいけない」噂の出どころは?

◆「食べ合わせ」関連の都市伝説 真偽の程は?  都市伝説めいたものが多いのが「食べ合わせ」関連のもの。例えば夏の果物の定番、スイカは「天ぷらと一緒に食べてはいけない」とも言われているが、どうなのだろうか? 「天ぷらなどの油の多い食品と、水分の多いスイカを一緒に食べると、胃液が薄まり、消化不良を起こすというのが根拠のようです。しかし、よほど多量に食べでもしない限り、体に害はないはずです。なお、この迷信のルーツは儒学者・貝原益軒の『養生訓』。貝原益軒が自身の実体験に基づいて書いたこの本が元で、避けるべき食べ合わせとして『天ぷらとスイカ』のほか『かにと柿』『豚肉としょうが』などの例が全国各地で言い伝えとなりましたが、いずれも医学的根拠に乏しいと現代では考えられています」(医療ジャーナリスト・森田豊氏)  また、誕生の経緯が面白いのが、「うなぎと梅干し」の食べ合わせの例だ。 「これも全くの迷信で、実際にはむしろ好ましい食べ合わせとも言えるものです。このような根拠のない迷信が生まれた理由には、いくつかの説があります。一つは、腐ったうなぎには酸味があるので、梅干しを一緒に食べるとそれがわかりにくくなるというもの。もう一つは、梅干しには胃酸を分泌させて食欲を増進させる作用があるため、高価なうなぎをたくさん食べることになってしまう……という贅沢や過食を戒めるためのものです。ちなみに、実際にうなぎと食べ合わせが悪いのは桃。桃の有機酸が脂肪の吸収を阻害するため、消化不良に陥りやすいんです」(森田氏) ― 真夏の[都市伝説]を科学する【4】 ―
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