シロートが2790万円のマクラーレンに乗ってみた
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
毎年恒例のJAIA(日本自動車輸入組合)大試乗会から今年もお声がかかった本誌取材班。目玉はなんといっても、あのマクラーレンが手掛けた市販車「MP4-12C」。人気車種ゆえ、試乗枠は抽選でしたが、数多の自動車専門誌を退けて当選! 我々、貧乏人には一生縁がない雲上界の超絶スーパーカーを運転することができ、至福の時間を過ごしました!
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆シロート3人が2790万円のスーパーカーに乗ってみた!
経済氷河期に育ち、貧乏が体に染みついた諸君は、マクラーレンと聞いてもベビーカーくらいしか思い浮かばぬはず。哀れなり。が、今回取り上げるマクラーレンはベビーカーではない。スーパーカーだ。
マクラーレンとは、フェラーリに次ぐF1グランプリの名門チーム(ベビーカーとは無関係)。あのアイルトン・セナが長らく乗っていたのがマクラーレン・ホンダだ。「それなら知ってます!」と膝を打つ貧乏人もいるだろう。
そのマクラーレンが、いよいよ市販車つまりスーパーカー作りに本格的に参入し、フェラーリに挑戦状を叩き付けた。その第一弾がこのマクラーレンMP4-12C(オレンジ色のほう)だ。
お値段は2790万円。この価格は、フェラーリ458イタ~リアの2830万円を完全に意識している。竜虎相打つガチンコライバルだ。諸君らには1億%無縁の雲上界の戦いだが、アベノミクスにより景気が回復すれば一般教養として必要になるので、しっかり学んでおくように。
さて、そんなマクラーレン、おいそれと乗れるクルマではないが、毎年恒例のJAIA(日本自動車輸入組合)の大試乗会に、なんと試乗車が用意された! しかも抽選で試乗枠が当選! 編集部のドシロートたちも試乗できる!
一同「一生に一度の機会」と涙を流して喜んだ。担当Kにいたっては、直前に郷里の祖母が亡くなったにもかかわらず、通夜をブッちぎって参加したくらいである。
クルマのシロートみたいのが何人もやってきたのでビビったマクラーレン側から、「絶対スピードを出しません」と誓約書を書かされたのだが、借りてしまえばこっちのもの。こうしてシロート衆3人が見事、最新のスーパーカーに試乗できたというわけです。
私も家宝であるフェラーリ458イタ~リア(黄色いほう)を出撃させて華を添えました。
⇒【後編】世界最速レベル・625馬力のスーパーカーの乗り心地は? https://nikkan-spa.jp/393296
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ