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カリスマFXトレーダーの「参院選」の狙い方

FX, マネー, 投資 6月も終わりを迎え、気がつけば1ドル100円手前まで戻ってきた為替相場。これは円安再開の号砲なのか!? 5月、6月のジェットコースター相場を思えば、おいそれと買いには走れないが、「もう少し落ちたら買おうかな」と躊躇しているうちにチャンスを逃した今年前半のような悔しい思いもしたくはないし……FXトレーダーには悩ましいところである。 ◆海外ヘッジファンドも再び!? 「5月23日以降、調整が続いていた米ドル/円ですが、後半も上昇基調だろうと思います。1ドル120円とは言わないまでも110円くらいは十分に可能でしょう」  そう見るのは、すでに週刊SPA!でもお馴染み、海外ヘッジファンド勢との親交が厚いプロトレーダーの西原宏一氏である。 「僕のところには海外ヘッジファンドから問い合わせがきています。『円を売りたいんだが、ニシハラはどう見る?』と。実際、香港の大手ヘッジファンドである『ネズファンド』は『円売り・日本株買い』の再開を公言しています」  アベクロ相場を牽引したのは海外のヘッジファンド勢だった。いったんは円売り・日本株買いを手仕舞った彼らだが、年後半に向け再び照準を日本に合わせ始めたようだ。 ◆参院選で「セル・ザ・ファクト」!? 「円高の要因としては参院選。先日の都議選で自公が圧勝したことで、ヘッジファンド勢は参院選での与党大勝を織り込み始め、円が売られています。米ドル/円が参院選までに順調に上がっていくようだと、選挙結果が出たときに『セル・ザ・ファクト』となり、一時的に急落する可能性がある」  自公の参院選圧勝への期待で円が売られ、実際に選挙結果が出ると、「材料出尽くし」で買い戻される――。そんな可能性も頭に入れておこう。西原氏の予想通り1ドル110円向かうなら、そこが最後の90円台の買い場になるかも。  ちなみに「セル・ザ・ファクト」は西原氏お得意のパターン。詳しい考え方は西原氏の著書『30年間勝ち続けたプロが教える シンプルFX』をご参考あれ。 ◆為替市場の主役たる、あの通貨ペアも大注目! 「今年前半はアベノミクスによる『円安』でしたが、後半は『ドル高』が鮮明になりそうですね。一番大きな要因はアメリカのQE(量的緩和)の縮小ですし、それにより新興国の相場が崩れているので、『新興国から米国へ』とお金が戻り始めています」  異次元の金融緩和を始めたばかりの円と、金融緩和から脱しようとする米ドル。米ドルが買われ、円が売られるのは必定だ。そこへきて中国経済も不穏な空気で、新興国へ投資されていた資金が、急速に逃げ出しつつある。どこへ逃げるか?といえば、基軸通貨である米ドルとなるわけだ。 「こうしたことも考えていくと、やはり今年後半も米ドル/円は上昇、という見方になります。前半と違うとすれば、米ドルは対ユーロでも上昇する可能性が高い。ユーロ/米ドルは今年前半、小幅な動きが続きましたが、後半は急落する場面もあるのではと注目しています」  2013年後半、FXトレーダーは米ドル/円、それにユーロ/米ドルでのドル買いを狙うべし! ●西原宏一(にしはら・こういち) 西原宏一(株)CK キャピタル代表取締役 青山学院大学を卒業後、1985年、シティバンク東京支店に入行。1996年まで同行の為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活動の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行(DBS)シンガポール本店でプロプライアタリーディーラー等を歴任。2009年に独立。現在は自らディーリングをしながら個人投資家への助言を行う。ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。週に10~15本配信されるメルマガ(月額4200円)の読者はのべ4500人を超える http://www.ck-capital.jp/ <取材・文/高城 泰(ミドルマン) Photo by Masaru Kamikura from Flickr>
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「セル・ザ・ファクト」など、本書では一概には語れないファンダメンタルズ分析について、実例を用いて解説。もちろん、初心者でも取り入れやすい一目均衡表やRCI、ディナポリ・チャートといったテクニカルを使ってのトレード戦略も紹介している。

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