世界に吹き荒れる緊縮財政の嵐が財政デフレを繰り返す【後編】

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 サブプライム金融危機の特徴は、デリバティブ金融バブルの崩壊にある。700兆ドルに膨張した想定元本が600兆円程度の損失を生んだと考えられ、そこに恐ろしさがあるのだ。

 日本では、財務省が90年代以降に実施した財政出動政策が有効ではなかったとの虚偽の情報を流布しているが、事実を検証すると、これがウソだとすぐにわかる。

 95年の経済対策も、98年の経済対策も著しい成果を上げ、株価は反発し、経済も浮上したのだ。

 ところが、経済が浮上したタイミングで財務省が、財政再建の号令をかけて無茶な緊縮財政に突き進み、立ち直りかけた経済を破壊。株価を再暴落させた。

 病み上がりの経済に過度の「かわいがり」をしたために、経済は立ち上がれなくなってしまったのである。この意味で、景気回復初期の過度の緊縮財政は極めて大きなリスクを伴うと言えるだろう。

 格付け機関が各国の緊縮財政を煽っているのは、世界的な株価暴落を誘導し、暴落値で資産を買い集めようとする勢力の差し金か。

 この時点からさらなる株価暴落が始動すれば、想定を超える低株価が現出する。日本でも野田政権が誕生して、大増税が画策されているが、復興策の財源を増税に求めるのは間違いだ。

 悪夢のシナリオに嵌らぬよう、政策の早期修正が求められる。

【今週の数字】
NYダウ下落率(07~09年の間)
53.8%
NYダウはサブプライム金融危機に伴って大幅に下落。その下落率は53.8%にも達した。今年4月29日の高値1万2810ドルをピークに現在、NYダウは反落しているが、同率の下落を示す場合、5921ドルまで下落することに

過去のチャートを見れば、超緊縮財政が株価下落をもたらしていることが一目瞭然。今回の米国債務問題も超緊縮財政を置き土産にし、米国の先行き経済悪化観測から米国株価が下落したと言える


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