「童貞を応援します!」宣言。“男が好きな男”福山雅治の男性限定ライブに1万4364人が熱狂
週刊SPA! の恒例企画「男が選ぶ 好きな男・嫌いな男」で、4年連続“好きな男”第1位に選ばれた歌手の福山雅治が、12月23日、自身初となる男性限定ライブ「男の、男による、男のための聖夜にして野郎夜(やろうや)!!」を開催した。
会場のパシフィコ横浜は、1万4964人の男性ファンで埋め尽くされ、国内の男性限定ライブでは最大規模の動員数を記録。男性人気の高さを裏付ける結果を見せつけてくれた。
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開演前から「ましゃ~!」という野太い声がこだまする異様な熱気に包まれた会場は、福山の登場とともに満場のオールスタンディングで開幕。「会いたかったですよ、お前ら!」と拳を上げると、地鳴りのようにうなる重低音の歓声に「これが聞きたかった!」と熱く応える。
彼が“野郎夜のテーマソング”と位置づける「GAME」をはじめ、アツいシャウトが炸裂する「Revolution//Evolution」、働く男への応援歌である「明日の☆SHOW」など、この日にふさわしい男臭い選曲に、客席はヒートアップ。会場には幾度も男たちの大合唱が響きわたり、全24曲・約3時間にわたる大興奮のライブが繰り広げられた。
また、MCでは「普段のライブではできない質問」として、「童貞の方はどれくらいいますか?」と尋ねる一幕も。これは、2015年3月に惜しまれながら終了するラジオ番組「福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル・魂のラジオ」に、童貞の男性リスナーが多いことから飛び出したファンサービス。
勇気を出して手を挙げた観客に(筆者の目視では約5%)、「このライブは童貞を応援しています!」と高らかに宣言し、終演後に童貞ゲートからの童貞規制退場が行われ、“御縁がありますように”と5円がキャッシュバックされる粋なはからいが行われた。
他にも、今回のライブを「男同士の初体験」と表現したり、バンドメンバーを「音楽業界で3本の指に入るくらい、アソコがでかい」と紹介するなど、ラジオではおなじみの下ネタをガンガン解禁して、終始ハイテンションの笑顔を見せていた。
それもそのはず。地元・長崎でザ・モッズのライブを見て衝撃を受けた中3の頃から、男臭いロックコンサートが福山の音楽の原点。男性限定ライブは、デビュー時からの念願だったという。
「自分でも予想外なほど、女性ファンが増えまして……」という発言に「ヒュー!」とはやし立てられると、「正直、“俺ってイケてる”と思ったことは1回もない。自分のことイケてると思ったのは、今夜が初めてです!」と喜びをあらわにする福山。
最後は「来年もこの場所で会おうじゃないか!」と再会を約束し、大声援のなかライブは幕を閉じた。
それにしても、イケメンはとかく男性から嫉妬の対象となり嫌われがちだが、なぜ福山はこんなにも同性から慕われるのか。
彼の歌には、意外にも“男性の人生の悲哀と肯定”を描いたフレーズが何度も出てくる。何者かになりたくて抱いた夢や憧れを諦めてきた切なさ。誰かを蹴落としたり切り捨てたりして心を痛めるもどかしさ。負けを認めることを許されず、競争から下りられない苦しさ。それでもこの道を進むしかないんだと背中を押してくれる前向きなメッセージ。
45歳にしてイケメン芸能人の代表としての使命を背負い、責任を引き受け、戦い続ける福山の姿に、男性ファンはどこか自分と同じ同胞意識を投影しているのかもしれない。
ときに腕組みをし、ときに拳を振り上げながら、熱いまなざしで“俺たちのましゃ兄”をうっとりと見つめる客席のおっさんたちを見て、“男の好きな男”の王座はまだまだ安泰だと感じたのだった。
<取材・文/福田フクスケ>
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