新海ウオッチャーが語る「『君の名は。』の超ヒットと匂い立つエモさ」
新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』が興収120億円を突破し、社会現象とも言える大ヒットを記録している。
これまでの興収一桁前半億円規模の新海誠作品を鑑賞してきた筆者にとって、現在のポストジブリ・ポスト宮崎駿とも言われるこのフィーバーぶりはかなりの驚きだった。まわりのアニメファンも予想外と戸惑いを隠せず、「なんかわからんけど俺たちの時代が来たのか?」とかいい出す始末だ。残念ながら、来たのは新海誠の時代だけのようですが。
新海誠作品といえば、センチなモノローグに主人公の気持ちを反映した微細な背景美術、そして破局するために出会うとでもいえそうな逆転した恋愛への憧れを描いてきたように思う。
その感傷的な作風は、一部の熱狂的なファンを生みながらも、筆者などは「また新海誠が、切ないことやってるよ……」という自分の青春の黒歴史をあえて見返すようなノスタルジーを含んだイタイ気持ちを味わっていた。
そんなちょっと恥ずかしいけれど捨てられない学生時代のポエムノートのような新海誠作品だったはずが、『君の名は。』ではモテない男のひとり語りから離れて女子高生からの視点を導入して、身体入れ替わりという大ネタをぶち込んできた。さらに、今まではほとんど見られなかった笑いの要素まで挑戦している!
なにより驚きなのは、今までは「男はそんなもんばっかり見て……」と冷ややかだったはずの女性も熱狂的に支持しているらしいということ。この受け入れられ方の180度転換の謎を探るべく、何度か『君の名は。』を鑑賞してみた。
(※編集部注:以降、ネタバレする箇所がございますのでご注意ください)
【声の出演・スタッフ】
神木隆之介 上白石萌音
成田凌 悠木碧 島崎信長 石川界人 谷花音
長澤まさみ 市原悦子
監督・脚本:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:RADWIMPS
全国東宝系にてロードショー中
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ