せきしろ&峰なゆかが【素人の名言】を寸評
ツイッターを見ていて、一般人が半径5mの日常で辿りついた「マイ金言」「マイ真理」にイラッとさせられた経験はないだろうか。今回、せきしろ、峰なゆかの両氏が、そんな“ドヤ顔ツイート“をばっさり品評する!
◆人生訓、気づき、ポエムではドヤ顔が満開です!
⇒【参照】https://nikkan-spa.jp/91624
せきしろ 「○○とは××だ」や、「○○の代わりに××したい」に当てはめていく、という一人大喜利は多いですよね。「人生はタコ焼きだ。色んな具(経験)が混ざりあって、上手く転がせて良い感じやな~と思った途端に丸焦げになる。」や「二酸化炭素の代わりに嘘を排出して生きていきたい。」はまさにそう。でも「○○」の穴埋めに失敗しがちなのではないでしょうか。言葉のインパクトを優先すると、そうなってしまう。
峰 そういう意味だと「スイカの種を気にせず食うやつは、その鈍感さ的に人間的に絶対信用出来ない。」もインパクトは強いですけど、首をかしげたくなる内容ですね。「ごめん、オレ、種食っちゃう派だわ」っていうリプライが返ってきそう。そしたら「○○君は別だよ!」って返すのかな? なんか見てるこっちまで恥ずかしい!
せきしろ 意外と本人はそこまで想定してるのかもしれないですよ。
峰 “かまってちゃん”なんですね。それなら「人生色々、が、始めてわかった朝。」も、相当のかまってちゃんかと。
せきしろ これは“誘い受け”ってやつですね。でも、読むつもりがなくても自然に読めちゃう適度な長さ。「敏感な人の鈍感な部分はとても輝いて見える。」もそう。だからつい読んでしまって、モヤモヤさせられてしまうことも。
峰 確かに。こうして見ていると、みんな、自分の名言をツイートするのも、人の名言をRTするのも好きですよね~。名言に飢えているのかな?
せきしろ 一時期はやった“路上詩人”が、ネット版として進化したのかもしれないですね。手書きのものと違って瞬発力はあるけれど、その分練られていないものも多くなってしまう。思いついても、切り捨てて自分で選別しないとダメなんじゃないですか、って思いますけどね。まぁ、どうでもいいんですけど(笑)。
かくして、いまや名言の応酬場と化しているツイッター。最後に、ありがちなシロート名言の定型句を3本挙げてみた。これで貴兄も今日から“名言”がツイートできること請け合いだ!
<あなたも今日から!名言テンプレ集>
・ひらがなを多用すると、糸井重里風になる!
・しつこいくらい読点を使うと、メッセージ性が高くなる!
・「人間は2種類に分けられる。それは~」でさも“新発見“に!
【峰 なゆか氏】
小誌で漫画「アラサーちゃん」を連載中。ブログに掲載した4コマ漫画+描き下ろしによる単行本『アラサーちゃん』がメディアファクトリーより発売中
【せきしろ氏】
文筆家。小誌連載「バカはサイレンで泣く(https://nikkan-spa.jp/bakasai)」選者。日常の機微を自由律俳句で詠んだ『カキフライが無いなら来なかった』(共著、幻冬舎)など著書多数
― ツイッターで[自分の名言に酔いしれる人々]【8】 ―
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