パーティ、夏祭り、初詣…人生は「非日常」をきっかけに変わり始める
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第55回
先週、友人が開いた船上パーティに参加してきました。乗船したシンフォニー号は港区日の出埠頭から出発し、東京湾内を一周します。公式サイトを見るとディズニーランドやディズニーシー、羽田空港にレインボーブリッジ、さらに東京タワー、スカイツリーと名だたる観光地が望めたようですが、正直なところ話に夢中になりすぎてほとんど見ていません。
というのも私はパーティの特別サービスとして、船内で無料相談をお受けしていました。お昼に出発して船着場に戻ってきたのが二時頃、およそ二時間のクルーズで五組の相談に乗ったので、一組あたりにかけられた時間は長くて二十分ほどだったと思います。普段は一件につき三時間ほどかけるので、もちろんそれと同じクオリティとはいきません。ですが、相談しているうちに泣きだされる方がおられるなど、それぞれに何かしらの意味を渡せたと思います。
また相談とは別に新たな出会いもありました。その方は私と同じように「個人の幸せ」を主眼にしたコンサルをされていて、意気投合しました。その場だけの挨拶で終わらずに、先日も食事会を開いて色々なテーマについて意見を交わしました。パーティの数日前にたまたまその方のブログを読んでいたので、奇妙なシンクロニシティに驚いています。
その友人が行うイベントにはこれまでにも何度も顔を出しています。しかし、これほど色々な方に声をかけてもらったのは、今回が始めてです。それはやはり船の上という特別なシチュエーションで、私も相手も良い意味で浮かれていたからでしょう。普段なら何となくためらってしまうところを、「えい!」と踏み出せるかどうか。それは自分の思考や感情だけでなく、取り巻く環境にも左右されます。
ここに自分の人生を開くための、自己啓発的なレッスンがあります。つまり「えい!」と何かに踏み出したければ、「最初はピンと来なくても、誘われた集まりに参加すると何かが起きる」ということです。集まりといっても「いつもの面子でいつもの飲み会」ではなく、例えば今回の船上パーティのように普段とは異なる趣が必要です。その非日常が私たちを変えてくれます。
私たちは非日常を必要としています。なぜならその非日常の瞬間を通して、日常を振り返るからです。私たちは夏祭りを通じて、自分たちが夏という季節を過ごしているのを強く自覚します。二年参りを通じて、一年が終わり新たな一年が始まることにフォーカスします。そしてその総括によって夏には夏の、一年には一年の新たな抱負を自然と抱きます。民俗学の柳田國男はその非日常と日常を行き来する日本人の世界観を「ハレとケ」と呼びました。
ところが人間は意外と出不精です。イベントやパーティの直前になって、何となく「行くのが面倒くさい」と思ったりします。夏祭りに行く予定だったのに、「本当に行くの?」という話になったことは誰にでもあると思います。それは日常から非日常に切り替わる時に、精神力を消費しているからです。
1
2
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
記事一覧へ
『人生を変えるマインドレコーディング』 人はなぜ続けることができないのか? 続けるには「信念」が必要だ! |
記事一覧へ
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ