更新日:2023年03月28日 09:49
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男女の金銭トラブルは、夜の世界では当たり前? キャバ嬢を騙す悪徳弁護士客も…

―[キャバ嬢に訊け]―
 6月27日、神奈川県平塚市の海岸で女性の遺体が見つかった事件。死体遺棄の容疑で逮捕された被害女性の夫は「借金返済のために妻のクレジットカードを使ったことや、働いていないことがバレた」と供述しており、警察は夫婦間に起きた金銭トラブルを背景に見て捜査しているという。
金銭トラブル

写真はイメージです(以下同じ)

 こうした男女間の金銭トラブルはどの世界にも起こるものだが、夜の世界でもよくあることだ。そこで、夜の世界で起きた男女の金銭トラブルを聞いてみた。

客に結婚話を持ち掛けて金を引っ張るキャバ嬢…

 まず話を聞いたのは、大阪ミナミのキャバクラに勤務する優子さん(仮名・34歳)。 「男女の金銭トラブルなんてこの世界ではしょっちゅうですよ。客に色恋営業をかけて店に引っ張るなんてのはまだカワイイもんで、悪質なものになると、客に結婚話を持ち掛けて金を引っ張るキャバ嬢も。私が1番悪質やと思ったのは、前、うちの店にいたリンカ(仮名)は新規の客に付くときに必ず『私、男性を見る目がナイんですよ』と、過去に付き合ってきたダメンズの話をするのがお約束だったんです。 色恋営業 そこから色恋営業で客を引っ張っていくのですが、中でも特に彼女にハマっていたYさんという客に対してはかなりエゲツナイ営業をしていたみたいです。結婚前提の交際をエサに『早く一緒に住みたいけれどお母さんが病気で治療費にお金がかかる』とか『前の彼氏が残した借金を立て替えて貯金が全然ないから生活費を貸してほしい』などと言って、Yさんからお金を引っ張っていました」  だがYさんが通い始めて半年後、リンカさんは突然姿をくらましたと優子さんは言う。 「後から噂に聞いた話によると、リンカはホストにハマっていたそうなんです。Yさんから借りたお金はホストの飲み代に消えて、それでもさらに豪遊したためツケが払えなくなり飛んだ……と聞きました。可哀相なのはYさんで、『リンカとまったく連絡が取れない』と店に乗り込んできて大暴れしたんです。店側もリンカが給料の前払いとかをしていたら探すこともできたけれど、ただ飛んだだけじゃどうしようもできないです。いくら客とトラブルになっても、店は介入できないので個人で対処してもらうしかナイんですよね」

キャバ嬢が黒服の財布になるケースも

 1番多いのはこのようなキャバ嬢が客を騙して金銭トラブルになるケース。だが、逆にキャバ嬢が騙されることもあると話すのは、都内のキャバクラに勤める葵さん(仮名・28歳)だ。 「1番多いのは店の黒服と交際して金銭トラブルに発展することですね。キャバクラは表向き、黒服とキャストが付き合うことは風紀といって禁止されているのですが、実際は風紀だらけですよ。特に店長クラスだと、ちゃんとしている店では絶対にありえないほどダメなヤツもいます。前に働いていた店の店長は売れそうな新人をすぐ口説いて自分の彼女にしていたんです。色恋管理をしたほうが女のコも教育しやすいですからね。店長と付き合った新人は、金払いの良い客に付けさせる、優先的にシフトを入れさせるなど贔屓をするのですぐに分かるんです。  そこまでなら良い店長に見えるんですが、実際は彼女が売れてきたらそのコの家に転がり込んで家賃だけでなく、生活費まですべてその彼女に出させるヒモ野郎なんです。彼女が少しでも口答えしようものなら『誰のおかげで売れたと思ってんだ』などのパワハラ発言。女のコも反論できず、最終的には店長が次の彼女を見つけてボロボロになって退店していきます。もちろん、店長からお金が返ってくることもないそうです」
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金をむしり取る、悪徳弁護士客も?
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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