コンテンツプロデューサー・高瀬敦也が様々な人を招き、コンテンツについて飲み屋でざっくばらんに語り合う不定期連載企画。2回目のゲストは、Twitterを通じて膨大な数の人に会い、日々「奢られる」活動をしているプロ奢(おご)ラレヤー・中島太一氏。高瀬の著書『人がうごく コンテンツのつくり方』に関する中島の「何気ないツイート」をきっかけに実現した本対談では、「Twitterとコンテンツ」について、4回にわたってお届けする!
コンテンツプロデューサー・高瀬敦也のコンテンツと〇〇 ゲスト/プロ奢ラレヤー・中島太一氏 第1回
プロ奢ラレヤー・中島太一氏(左)と株式会社ジェネレートワン代表取締役CEOの高瀬敦也氏
プロ奢ラレヤーの活動、そして仕事とは……
高瀬:普段、本とか読んでいるんですか?
中島:いや、元々は全然読まないですね。最近ちょっと読むようになったぐらいです。
高瀬:あの本は、たまたま?
中島:たまたま本でも読むかってなって。高瀬さんの本は本屋で見て、Kindleで落としました。正直、本を読む習慣がなかったので。
高瀬:僕もそもそもは本って、読まなかったです。
中島:元々は時間を全部「人に会うこと」に使っていて、1日10人とかダーって会っていたりしたので読まなかったんですけど、最近は変えて、1日3~5人ぐらいにしてるので。
高瀬:基本は会いたい人と?
中島:そうですね。ひとりTinderみたいな感じで。ひたすら来るからそれに僕はLikeを返して会う。そういうシステムです。前までは、例えば渋谷にいて1時間暇だってなったら、それをツイートして来た人に会うみたいなスタイルだったんですけど、最近は僕のことを知ってる人が増えて、そういうツイートをすると50件とか来ちゃうんですよ。それをさばくのも大変だから、最近はもうやめてて。
やってることの中身は変わってないですけど、例えばフォロワーが5000人以上の人は会うとか、すごい珍しい活動や経験をしてる人はDMしてもらうとか、ルールを明文化したことで、依頼の数がぎゅっと減って楽になったみたいな感じです。
高瀬:「会って良かったな」って思うのと思わないのって、ぶっちゃけどのくらいの割合だったりします?
中島:会ってよかったとか悪かったはないですね。基本的に1~2時間話すわけじゃないですか。その人の何かしらは、会う前にプロフィールなどで大体わかるので、その点に関しては聞ける。それさえ聞ければ、体感的なことは別としても、コンテンツとしてはその人が言ったことをTwitterにまとめて書ける。例えばそのツイートがバズり、それを見た人がまた僕に声をかける、という仕組みになるので。
高瀬:ネタにはなる、と。
中島:そうですね。基本的に9割9分、面白いですけどね。会いたい人に会ってるから。それとは別に、その人と会ったことをコンテンツにできるかは僕の力次第なので。相手どうこうではなくて、僕の力量だとちょっとコンテンツにうまく落とし込めなかったけど、僕自身は楽しかったってこともあります。
高瀬:なるほど、MCみたいな感じがしますね。
相手がどうこうではなくて、その人と会ったことをコンテンツにできるかは僕の力次第ですね(中島氏)
中島:そういう要素もありって感じですかね。会った時の感触やフィーリングでやることも違います。Voicyっていうメディアでラジオやってるんですけど、話しててこの人は声のほうが合ってるなと思ったら「じゃあ録りますか』とVoicyに投稿するし。ちょっとアングラすぎて世に名前出しちゃいけないとか、存在がグレーみたいな人にもけっこう会うんですよ(笑)。そういう人って声出したりとかできないから、匿名で文字に落とし込む。例えばある国でスパイやってた人とか。
高瀬:手を加えているとはいえ、ある意味ノンフィクション作家みたいな感じですね。
中島:そうですね。存在してるものを扱ってるだけなので、僕は何かを想像して作っているわけじゃなくて、そういう人間が集まりやすい仕組みを作って、その人たちに会って面白い部分を切り取って、140字に落とし込む仕事なので。
高瀬:なるほど。
中島:ただ事実を書いてるだけなんですけど、繰り返していけば編集の技術も上がったりする。それだけの話だけですね。それまでは普通にTwitterをやってただけなんで。