バブル男やりすぎブランドファッションに職場は失笑
’87~’91年に起こったバブル景気。この間の狂乱っぷりも、もはや昔話となり、当時、就職活動を行った”バブル世代”も、40代の立派な中年である。そして今、なんでも、このバブル世代が「若い女のコにモテる!?」と、うっかり、ときめいているんだとか……。現実は、さにあらず。若い女性たちから聞こえてくるのは、いまだギラギラが冷めない40代バブル世代への「イタい」「ウザい」といったブーイングだった!
【ファッション】
☆バブル時代の風景
トサカ頭をした女性はボディコン、男性はソフトスーツ(アルマーニが流行)に身をつつみ、でかい肩パッドを揺らして闊歩。金のネックレスも流行した。ブランド全盛で「ハウスマヌカン」が人気職種にも
☆バブル男の決め言葉
「これ、いいでしょ」
若い頃に培ったセンスはそうそう変えようもないのだろうが、「20年前から変わってなさそうなテクノカットは、社内では笑いのネタ」(28歳・小売)と、時が止まってしまった人へのダメ出しが続出した。
「44歳の取引先が飲みに連れていってくれたときのこと。支払い時に彼はおもむろにポケットから裸の札束を出し、その札束はキレイにクリップでとめられていた。マネークリップというものを、初めて知りました」(28歳・代理店)と、若い世代に新鮮に映ればまだいい。が、「今どき、セカンドバッグで通勤」(29歳・流通)なんて人もいまだ生息しているようで、「しかも、客先へもセカンドバッグで行くので、会社の品位が疑われないか心配」されている。
また、当時のブランド信仰は強烈だったのだろうが、「全身ブランド。しかも、ロゴ入りがお好きのよう(笑)」(29歳・看護師)、「職場の人とテニスをしたとき、ポロシャツの胸元に金のネックレス。『これがないと調子が出なくって』と言われ、返す言葉がなかった」(27歳・保険)、「『これ、いいでしょ』とやたら自分の服やら時計を自慢し、聞かれないと自らブランド名を吹聴する」(31歳・建築)と、カネをかければオシャレだという発想がシャレてないのである。
「夏は白いパンツに素足に白い靴。サングラスで出社し、『おはよう』と言いながら、そのサングラスを頭へ。格好だけはイタリア人だが、胸元の開いたシャツの隙間から段腹が見えた」(27歳・出版)、「ここぞという商談には、真っ黒のスーツにゼロ・ハリバートンのケース。そんな日は、『出たよ』と皆が彼に注目」(31歳・IT)と、気合が入りすぎてもイタいのである。
トレンドについていったとしても、「着こなしがやっぱ’80年代。パンツの股上が深い。ハイウエストでベルトをギュッと締めがち。パンツはタックが一個余分。全体をまとめる力に欠ける」(32歳・アパレル)、「なぜ、リブ編みのカラーソックスをはくのか疑問」(29歳・販売)と、厳しいファッションチェックは続く。
「ブルガリやD&Gの香水でイタリア男気取りの上司。『パフュームが僕の香りになっている』というが、女子社員、失笑」(28歳・商社)なんて話もあって。アラミスに馴染んだ世代。香水で伊達男を気取りたい気持ちもわからんでもないが……女性にとっては、ただの加齢臭消し!?
取材/澤田彰宏
取材・文/田山奈津子 谷口キンゾー 港乃ヨーコ 藤村はるな 鈴木靖子(本誌)
イラスト/マキヨウコ
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