真っ赤な下着で年越し、窓から家具をetc. 年末年始に“トンデモ風習”のある国は…
クリスマスとお正月。2大ビックイベントが重なる年末年始ですが、海外ではどんな盛り上がりを見せるのでしょう? 海外在住ライターたちに各国の様子をリレー連載でリポートしてもらいます。今回はイタリア中部のフィレンツェです!
国民の約8割がカトリック教徒のイタリアでは、一年で最も大事なイベントはなんと言ってもクリスマス! 行事の重要度はキリスト教と密接に関わっており、一般的にクリスマスシーズンと呼ばれるのは12月8日の「無原罪のお宿りの日」から、1月6日の公現祭まで。
したがってツリーなどの飾りも1月6日まではそのままにするし、年越しやお正月もこういったお祭りシーズンの中のフェスタの一つという立ち位置だ。
クリスマスは家族や親戚が集まって盛大にご馳走を食べるのが習わしだが、「クリスマスは家族と、お正月は好きな人と」という言葉もある通り、年越しは家族よりも友達や恋人とにぎやかに騒ぐという人が多い。日本とはまるで正反対といったところだろうか。
現地在住の筆者から見ると、いつも怠けてばかりいるイメージのイタリア人だが、年末年始は意外と休みを取らない人が多く、休むのは元旦くらい。クリスマスがトラディショナルな家族行事だとすると、お正月は若者が集まる無礼講のお祭りといった趣だ。
街の広場などで開かれるカウントダウンイベントが人気だが、ハメを外しすぎて毎年ケガ人が続出する。新年の訪れと共に至るところで花火や爆竹が鳴らされ、信じられないことに死者まで出ているまさに命がけの大騒ぎなのだ。
実際、筆者の知人も子供の頃に年越しのロケット花火が眉間に突き刺さった傷が今もクッキリと残っている。派手な爆発音は厄落としになると言うが、命を危険にさらしてまで厄落としする必要があるのかどうか……。
新年の訪れとともに発泡ワインの栓を爽快に吹っ飛ばし、「ブオン・アンノ!(良い年を)」と新年の挨拶を交わす。0時を過ぎた途端に新年の挨拶メッセージが飛び交ってスマホの通知が止まらなくなるところは、日本とも似ているかもしれない。
近年は少し大人しくなったとはいえ、ナポリにはさらなるトンデモ風習が存在する。なんと厄払いのために、大晦日の夜に不用品を窓から投げ捨ててしまうのだ。古くなった鍋や皿なんてまだ可愛いもので、マンションの窓からタンスやテレビを投げ捨てる猛者もいるらしく、通りはもはや戦場のような危険地帯!
古いものは新年に持ち越さないという、ナポリ独自の豪快な厄払いである。
日本と正反対「クリスマスは家族や親戚と、お正月は好きな人と」
窓から家具が降ってくる!? 命がけのお祭り騒ぎ
2009年よりイタリア在住。料理と旅行とモノづくりが趣味のシングルマザー。フィレンツェ市公認「ホッビスタ(趣味でモノづくりをする人)」。イタリア在住ライターとして多数の媒体に執筆する他、企業向けマーケティング・リサーチや料理研究など幅広く活動。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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