“大地震で死者5万人超”。トルコ出身芸人が語る「我が国は姉歯大国」
2023年2月6日にトルコとシリアの国境部分でM7.8の大地震が発生した。この地震による死者の数は執筆時(2023年2月現在)で約5万人と言われ、今も多数の行方不明者がいる。トルコには世界各国からの支援や救助が寄せられているが、この未曽有の災害を受けて、ツイッターで<トルコは汚職建築者がうじゃうじゃ湧いてくる、築1年の建物も粉々になる国なので俺は驚いていない。我が国は姉歯大国>と投稿したのは、トルコ出身のお笑い芸人・デミルさん(30歳・@demirhanjp)だ。
身長188センチで、トルコの東大と言われる「ボアズィチ大学」を卒業した彼は、来日して、2022年7月にお笑いコンビ「不死身のレモン水」を結成。現在はお笑いライブの企画などを行う芸能事務所K-PROに所属している。今回は、トルコ国民としての今の心境と、先ほどのツイートの真意、さらにはなぜ日本で芸人として活動をしているのかなど話を聞いた。
【後編】⇒<“トルコの東大”卒のトルコ出身お笑い芸人「憧れの存在はバカリズム」>
――今日は大変なさなかに、ありがとうございます。まず、お聞きしづらいですがご家族や親戚の状況について教えてください。
デミル:本当に唯一の心の救いなんですが、僕の地元のイスタンブールは北西部で、今回の地震が起きた地域とは、真逆の南東部なので、家族が無事であることはすぐわかりました。僕は友達からのツイッターのDMで地震のことを知ったのですが、連絡したのは数時間後だったくらいで。でも、知り合いのなかには「お母さんが、あの人の葬式に行ってきたよ」と言っていた人や、友達の友達が1人、2人亡くなってしまった人もいるみたいです。
――トルコの今はどんな気候ですか?
デミル:日本とほぼ同じぐらいの緯度なので気候は温暖。湿度は日本より低いです。島国ではありませんが、黒海、エーゲ海、地中海、あとマルマラ海に面していて、日本のように四季もちゃんとあります。今回、地震があった南東部は海からも離れているので、夏はすごく暑くて、冬はすごく寒いです。よく砂漠の気候を昼間は暑くて、夜は寒いと言いますが、それと同じように寒暖差が激しいです。
――震災を知って、そこからの日々をどう過ごしていましたか?
デミル:先ほども言ったようにツイッターで知って、それからはニュースから目が離せませんでした。1日の終わりと次の日の始まりがわからない時間がしばらく続いて、変な空間にいるような、今思えば心身の状態がおかしかったかも。インスタグラムやツイッターのトルコ国内のフォロワーから、まだ救済されてない人たちの情報や現場の映像、どこに寄附すればいいのかといった情報が流れてきて、死者数もどんどん増えていて。お仕事のほうは、今はもう大丈夫ですが、事務所の方にお願いして1週間くらいお休みさせていただきました。
家族が無事であることはすぐわかった
ニュースから目が離せなかった
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
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