更新日:2023年04月07日 18:09
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1000兆円も借金がある日本は、破綻寸前なの?元日銀副総裁がわかりやすく解説

私は経済学者として国内外の大学で教鞭をとったりした後、’13~’18年には日本銀行副総裁として金融政策の立案にも携わりました。そこで、感じたのは「経済を知れば、生活はもっと豊かになる」ということ。そのお手伝いができればと思い、『週刊SPA!』で経済のカラクリをわかりやすく発信していきたいと考えました。

1000兆円も借金がある日本は、破綻寸前なの?

経済オンチの治し方

イラスト/岡田 丈

「日本の借金は1000兆円で破綻寸前!」と年中警告を発している人がいます。しかし、結論を言えば、日本が財政破綻することはありません。  財政破綻とは、政府が借金の一部または全額を返済できなくなったり、返済時期を繰り延べしたりする事態、すなわち「債務不履行」が起きることを意味します。  破綻リスクが高まったと判断すると、国債を持っている人は償還されない可能性を危惧して売りに走り、国債価格は暴落して国債金利は暴騰します。

国債が暴落した場合、3つの返済法を検討

 仮にこのように国債が暴落した場合、日本政府は3つの返済法を検討するでしょう。  第一は、新たに国債を発行して、日銀に“直接”買い取ってもらい、手にしたお金で国債の利子を支払い、償還する方法です。この国債の利子と償還費を合わせて国債費といいます。しかし、この方法は行きすぎると、高インフレを引き起こす可能性があります。  第二は、課税権の行使です。実際、’14年と’19年半ばの消費増税で得られた税収の一部は国債費に充当されています。家計の金融資産残高は2005兆円(’22年9月時点)と国の借金の2倍もありますから、いざとなったらこの資産に課税することもできます。  第三は、170兆円に上る外貨準備(’23年2月末時点)をはじめとした政府の金融資産を充てる方法です。
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債務不履行の危機に瀕したギリシャはどうだった?
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東京大学大学院経済研究科博士課程退学。上智大学名誉教授、オーストラリア国立大学客員研究員などを経て、’13年に日本銀行副総裁に就任。’18年3月まで務め、日本のデフレ脱却に取り組んだ経済学の第一人者。経済の入門書や『「日本型格差社会」からの脱却』(光文社)、『自由な社会をつくる経済学』(読書人)など著書多数

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