エンタメ

『THE SECOND』の興奮がさめない異常。スピードワゴン、囲碁将棋…芸人たちはラジオや配信でどう語っているのか

「芸歴16年以上」という参加資格を掲げた新しい漫才賞レース『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』。決勝に残った8組(金属バット、マシンガンズ、スピードワゴン、三四郎、ギャロップ、テンダラー、超新塾、囲碁将棋)の中から、ギャロップが優勝を収めたこの大会は、お笑い界とお笑いファンに大きな反響を残した。『THE SECOND』でどんなことが起きていたのか。
THE SECOND

大会から1週間をすぎたのに、『THE SECOND』を振り返るラジオ、配信番組の勢いが止まらない。なかでも、準優勝でなぜか大ブレイク中のマシンガンズ滝沢を語るシーンが目立つ気がする(イラスト/まつもとりえこ)

 演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆するライターの釣木文恵@troookie)が、遅まきながら振り返ってみる。お笑いマニア・まつもとりえこ@riekomatsumoto)がイラストを担当する。

今もなお尾を引く『THE SECOND』の興奮

 去る5月20日にフジテレビで放送された新たな賞レース『THE SECOND』。参加資格が芸歴16年目以上、つまりM-1グランプリの参加資格を失った中堅〜ベテラン漫才師たちのための大会だ。初年度となる今年は133組が参加し、32組に絞られてからは1対1のトーナメントに。勝ち上がった8組が地上波で放送された「グランプリファイナル」で戦った。  優勝は「ギャロップ」。「劇場の出番があんまりなかったんですよ、最近。すごいそれがショックで、漫才やりたいのに。これ獲ったら出番増えるでしょ?」という毛利の言葉が印象的だった。  この大会が立ち上げられたとき、こんなにもプロの本気のぶつかり合いが見られる、それでいて互いにリスペクトし合う大会になるとは予想していなかった。  放送から1週間以上が過ぎ、TVerの見逃し配信も終了した状態での記事更新だけれど、この大会の興奮がまだ芸人たちとお笑いファンの間では今もなお尾を引いている、そのさまを少しだけ紹介したい。

令和ロマン・くるまが語る「6分間」の意義

 まずはじめに、グランプリファイナル(決勝)にいったいどんな漫才師たちが出場していたのかを振り返るにあたっては、M-1戦士の漫才師「令和ロマン」高比良くるまによる事前解説動画がぴったり。  昨年の『M-1グランプリ2022』敗者復活戦でオズワルドに迫る2位を獲得した令和ロマン。芸歴6年目、『THE SECOND』の出場者たちと比べて格段に若いけれど、くるまのお笑いオタクぶりとその分析力には定評がある。まだトーナメントの対戦相手が決まる前の動画ながら、お笑い賞レースでは異例の「6分」という長い制限時間の理由を考察し、その6分をそれぞれのコンビ、グループがどう使うかを語り尽くしている。  ちなみに令和ロマンは『THE SECOND』放送直後に30分の生配信を敢行。「1.5倍速で見てる?」と設定を確認したくなるほどの早口で大会を振り返っている。『THE SECOND』では大会アンバサダーとして松本人志が登場したが、大会前、大会後の盛り上げに一役買った令和ロマンは、もう一人のアンバサダーといっていい存在だった。
次のページ
スピードワゴン小沢の決意、囲碁将棋の働きかけ
1
2
3
4
ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。X(旧Twitter):@troookie

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ