“フリマアプリ全盛”でもしぶとく生き残るハードオフ。“メルカリにはない強み”が背景に
中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
リサイクル店が大繁盛しています。背景にあるのはインフレによる節約志向の高まり。特に衣料品で好調で、リサイクルショップの売上をけん引しています。
その裏で苦戦しているのが、かつて市場を席捲していた古本や中古ゲーム。中小の古書店や中古ゲーム専門店は中期的な苦戦が予想されます。
ブックオフグループホールディングスの2023年6月-2024年2月の売上高は、前年同期間比9.3%増の823億円でした。通期は9.0%増の1110億円を予想しています。ハードオフコーポレーションは、2023年4-12月の売上高が前年同期間比10.2%増の220億円。通期売上予想は10.9%増の300億円。2社ともに通期では1割の増収となる見込みです。
ハードオフは長らく売上高200億円の壁を突破することができませんでした。しかし、2022年3月は15.2%、2023年3月期は10.3%それぞれ増収となり、今期はいっきに300億円台に乗せる見込みです。物価高が深刻化した2022年からの増収ペースには目を見張るものがあります。
衣料品に強いトレジャー・ファクトリーも好調そのもの。2024年2月期の売上高は前期比22.1%増の344億円でした。2025年2月期は同17.7%増の405億円を見込んでいます。今期も2割近い増収を予想しているのです。
トレジャー・ファクトリーの売上高もしばらく100億円台で推移していましたが、2022年2月期に200億円台に乗せ、2024年2月期に300億円を突破しました。
インフレ時代のリサイクルショップは正に庶民の味方。新品の買い控えや節約志向の受け皿になっているのは間違いありません。
ただし、中古品のすべてが売れ行き好調なわけではありません。ブックオフの主力商品である、古本やソフトメディア(音楽・映像・ゲーム)は苦戦しているのです。
ハードオフとトレジャー・ファクトリーは絶好調
しかし、「主力商品」は苦戦が続く
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ